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快削鋼 かいさくこうfree-cutting steel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

快削鋼
かいさくこう
free-cutting steel

切削性をよくするため,成分に工夫を施した鋼。硫黄は鋼の有害成分なので,通常は 0.05 %以下とするが,切削性をよくするので,特に高強度を要しない部品の高速生産のために増量したものが硫黄快削鋼である。切削性に関しては,の 0.10~0.35 %添加,あるいはテルル,セレン,ビスマスの少量添加も有効である (→鉄鋼の状態図 ) 。これらはいずれも鉄に対し不可溶性の化合物をつくり,また鉛,ビスマスも不可溶なので,鋼をもろくすることが切削性に役立つ。また,Ticを含む超硬工具による高速切削においては,Caを含むシリケート系介在物を鋼中に存在させると工具の寿命が増すことが見出されている。 JISには,炭素鋼,ステンレス鋼などで快削鋼の規格がある。

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デジタル大辞泉の解説

かいさく‐こう〔クワイサクカウ〕【快削鋼】

炭素鋼に少量の硫黄マンガンなどを加えて切削性を向上させ、加工しやすくした鋼材

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世界大百科事典 第2版の解説

かいさくこう【快削鋼 free cutting steel】

旋盤をはじめとする切削工作機械での作業性をよくするために,成分および組織を調整した鋼。切削工程では,切りくずが細かく切れて飛ぶことが,切削工具に作用する力や,切削工具の摩耗の低減に結びつく。また切削加工をうけた製品の表面も,切削中に切りくずが細かく切れて飛ぶ状況で加工されたほうが美しく仕上がる。このような切削状況をつくり出す鋼の性質を快削性といい,この性質を高めるために成分調整をして快削鋼がつくられている。

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大辞林 第三版の解説

かいさくこう【快削鋼】

低炭素鋼の一種。切削加工をしやすくするために硫黄・鉛・リン・マンガンなどを微量混合した鋼。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

快削鋼
かいさくこう
free cutting steel

工作機械による被削性を高める成分を配合した鋼。もっとも一般的に用いられている快削鋼は約1%の硫化マンガンMnSを微細に分散させた硫黄(いおう)快削鋼である。0.1~0.25%の鉛を微細に分散させたものを鉛快削鋼という。硫黄快削鋼は鍛錬方向に硫化マンガンが伸ばされ、これと直角方向の靭(じん)性は低いが、鉛快削鋼にはこのようなことはない。反面、鉛公害の問題がある。被削性は、切りくずが短く破断しやすいこと、工具に対する抵抗が小さいこと、刃物を損傷させないこと、切削面が美しいことなどで評価される。自動工作機械には不可欠の鋼材である。
 炭素鋼、構造用鋼、工具鋼、ステンレス鋼などに硫黄、鉛のほかセレンやテルル、カルシウムなどを配合した快削鋼がある。[須藤 一]

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