コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

思ひ出 おもいで

大辞林 第三版の解説

おもいで【思ひ出】

詩集。北原白秋作。1911年(明治44)刊。郷里の福岡県柳川における幼年時代を、南蛮趣味の残る風物を背景に追憶した抒情詩集。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

デジタル大辞泉の解説

おもいで【思ひ出】[書名]

北原白秋の叙情小曲集。明治44年(1911)。フランス印象派の影響を受けた作品群により注目を浴び、詩壇での地位を確立した。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

おもいで【思ひ出】

北原白秋の第2詩集。1911年(明治44)東雲堂書店刊。傍題に〈抒情小曲集〉とある。郷里柳川の風物や幼少時の生活を華麗な散文でつづった長文の序〈わが生ひたち〉と,〈序詩〉のほか190編の詩を収めている。第1詩集《邪宗門》とほぼ並行して書かれた(一部はそれよりも前)ものであるが,前著南蛮趣味をちりばめ,象徴詩風の技巧をこらして,世紀末的な官能を歌いあげていたのに対して,これは時に歌謡風のより柔軟で軽快な調べのうちに,南国水郷の“静かな廃市”の情緒や,そこでの感覚官能の目覚めに続く少年時の哀歓を歌っている。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

思ひ出
おもいで

北原白秋の第二詩集。1911年(明治44)6月東雲堂書店刊。1906年から1911年にかけて制作された詩編が収められ、『邪宗門』や『東京景物詩及其他(およびそのた)』と制作時期が重なっている。「序詩、骨牌(かるた)の女王(クイン)、断章 六十一、過ぎし日、おもひで、生の芽生(めばえ)、TОNKA JОHNの悲哀、柳河(やながわ)風俗詩」の7章、全215編の詩からなる。著者自装で自筆の挿絵が用いられ、また西洋画に強い関心を寄せた司馬江漢(しばこうかん)の銅版筆彩画(写真版)が一葉挿入されている。冒頭の散文「わが生ひたち」には、現在生活の根底を強く印象させるため、追憶のうちに感受される自叙伝としての「一種の感覚史なり性欲史」を詩として刻印したことが記されている。象徴的手法と歌謡的要素の混合した抒情(じょじょう)小曲集により、白秋の幼児から少年に至る裏面の恐怖の心理と哀傷、快楽に光が当てられた。[阿毛久芳]
『『日本近代文学大系28 北原白秋集』(1970・角川書店) ▽村野四郎編『日本の詩歌9新装 北原白秋』(2003・中央公論新社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

思ひ出の関連キーワード淅す・浸す・漬すフランス印象派小金井喜美子本辺・本方夕煙・夕烟此の世の外怱劇・忩劇古事・故事武田 雪夫末辺・末方川島 伝吉三宅克己加藤道夫かいろぐ半ばの月幼年時代逃れ言葉悲しけく田鶴が音天目飲み

今日のキーワード

ヨリトフグ

硬骨魚綱フグ目フグ科に属する海水魚。本州中部以南の各地と世界中の温帯から熱帯域に分布する。フグ科魚類のなかでも分布範囲がもっとも広い種である。体は円滑で小棘(しょうきょく)はなく、体の腹面に多数のしわ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

思ひ出の関連情報