翻訳|diabolism
至高善である神のアンチテーゼである悪の権化、悪魔を神のように崇拝し、人生または思想のよりどころにする考え。中世においてカタリ派などの異端思想が悪魔にくみするものとして弾劾され、また16~17世紀に魔女狩りが盛んに行われたとき、魔女たちは悪魔主義のゆえをもって死の運命をたどった。イギリスにおいてはサー・ウォルター・ローリーにまつわる「スクール・オブ・ナイト」、ウィカムのフランシスにまつわる「地獄の火(ヘルファイア)クラブ」などの集いが悪魔主義的であると糾弾され、フランスではルイ14世の寵妃(ちょうき)モンテスパン侯爵夫人を取り巻く黒ミサが喧伝(けんでん)され、摘発された。文学では19世紀末に反道徳的退廃主義や耽美(たんび)主義が横溢(おういつ)し、人生の裏に潜む暗黒面をひたすらに凝視する作家が悪魔主義的というレッテルをはられ、ボードレール、ホフマン、ユイスマンスらが登場し、日本でも谷崎潤一郎の初期の作品がこの系譜に連なる。
[船戸英夫]
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…とはいえ,そのようなものとして外部から人間に悪と契約するように働きかけたり,はては悪魔の契約書を通じて個人の内部に棲みつく(悪魔憑き)という見解は,個人として存在する悪霊を祓う〈悪魔祓い(エクソシズムexorcism)〉や,悪霊に憑かれた地方共同体を排除する異端審問や魔女狩りのような中世的制度の余地を残すことになるので,カトリック神学内部でも,悪魔の表象を人間の内部にひそむ普遍的な悪と結びつける内面的理解が有力となりつつある。 神の敵対者,キリストの敵対者(アンチキリスト)である悪魔は,必然的に神の反像である悪魔を最高神とし崇拝する悪魔主義者を生み出す。キリスト教文化圏に発生した悪魔主義satanismが他の古代異教のなかの悪魔礼拝儀式と異なるのは,それが〈キリスト教的倒錯〉であるという点である。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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