妊娠を切望したり,あるいは極端に恐れている女性に,実際は妊娠していないのに,妊娠性の自覚的・他覚的徴候がみられ,みずから妊娠したとの錯覚に陥った状況をいい,偽妊娠pseudocyesisともいう。このような患者では,無月経や脂肪沈着とか腸内ガスによる腹部膨満や,乳房の肥大,分泌や,乳頭,乳輪,腹壁正中線などの色素沈着の増加がみられることがある。大多数の例でつわりがみられるが,精神的原因によるものと考えられる。また胎動自覚は,腸蠕動(ぜんどう)や腹壁の筋肉の収縮の誤認によるものである。腟双合診,妊娠反応,超音波診断法(ドップラー法による胎児心音の有無)などによって確定しうる。医師から妊娠でないとの診断を受けると,各種の症状はすぐに消失するのが常であるが,精神病の女性では,自分は妊娠しているという妄想をもちつづけることがある。
執筆者:加藤 順三
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更年期に近い女性あるいは若い女性が異常と思えるほど妊娠を渇望したり恐れて避けたいと思っているときにみられるもので、実際には妊娠していないのに妊娠時に現れる諸症状を訴え、本人が妊娠を信じるようになっている場合をいう。
かつては偽(ぎ)妊娠ともよばれ、産婦人科領域における心身症の代表例のように考えられていたが、現在では妊娠判定の検査法が進歩して妊娠6~8週という早期段階に適確な判定ができるようになり、また妊娠8週では超音波心音計によって胎児心音を証明できるため、想像妊娠はすでに過去のものとなっている。すなわち、妊娠していないことが確認されれば、症状はすべて消失する。なお、これとはまったく別に、卵巣機能不全などにより偽妊娠症状を呈したり、治療などのために薬剤(ピルなど)を投与して偽妊娠状態をおこすことがある。
[新井正夫]
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