打っ遣る(読み)ウッチャル

デジタル大辞泉 「打っ遣る」の意味・読み・例文・類語

うっちゃ・る【打っ遣る/打っ棄る】

[動ラ五(四)]《「うちやる」の音変化》
投げ捨てる。「窓からごみを―・る」
そのままにしておく。ほうっておく。ほったらかす。「仕事を―・って遊び歩く」
相撲で、うっちゃりをする。「寄りをこらえて―・る」
土壇場形勢を逆転させる。「契約直前までいって―・られた」
[可能]うっちゃれる
[類語]打ち捨てるうっちゃらかすほっとくほったらかすほったらかしそっちのけ閑却放置野放し放任捨て置く差し置く置き去り放擲遣りっぱなしほっぽらかす握りつぶす取り残す置いてきぼり置いてけぼり

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打っ遣る」の意味・読み・例文・類語

うっちゃ・る【打遣】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙 ( 「うちやる(打遣)」の変化した語 )
  2. 捨てる。ほうり出す。転じて、むだな事、不本意なことに金銭などを費やすことにもいう。
    1. [初出の実例]「置あへず露のつんもる草の戸に 世をうっちゃりし袖の哀さ」(出典:俳諧・やつこはいかい(1667))
    2. 「『いづれ不漁(しけ)さ』と打棄(ウッチャ)るやうに云ったが」(出典婦系図(1907)〈泉鏡花〉前)
  3. ( 「うっちゃっておく」の形で ) 手を出したり口を出したりしないで、そのままにする。かまわないでいる。ほうっておく。
    1. [初出の実例]「まあうっちゃって置いてくんな」(出典:洒落本・二筋道後篇廓の癖(1799)一)
  4. (相撲で)うっちゃりをする。
    1. [初出の実例]「迂濶に寄ったら土俵際に打棄(ウッチャ)られる心配があるから」(出典:相撲講話(1919)〈日本青年教育会〉現代人気力士評判記)
  5. 土壇場で形勢を逆転する。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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