差置く(読み)サシオク

デジタル大辞泉 「差置く」の意味・読み・例文・類語

さし‐お・く【差(し)置く/差し措く】

[動カ五(四)]
そのままにしておく。放っておく。また、あとまわしにする。「その話は―・くとして」「何を―・いてもその会には出席したい」
当然考慮すべき人物などを無視する。なおざりにする。「担当責任者を―・いて商談を進める」
差し出して置く。
「藤大納言の御もとに、この返しをして、―・かせたれば、すなはちまた返しておこせ給へり」〈・一三八〉
[可能]さしおける
[類語](1ほったらかしそっちのけうっちゃらかすうっちゃる打ち捨てる閑却放置野放し放任捨て置く置き去り放擲ほっとく遣りっぱなしほったらかすほっぽらかす握りつぶす取り残す置いてきぼり置いてけぼり/(2無視黙殺度外視軽視過小評価かろんずるはなも引っ掛けない目もくれない尻目にかける眼中に無い歯牙にもかけない袖にする

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精選版 日本国語大辞典 「差置く」の意味・読み・例文・類語

さし‐お・く【差置】

  1. 〘 他動詞 カ行五(四) 〙 ( 「さし」は接頭語 )
  2. 置く。
    1. [初出の実例]「孫王(そわう)の君に夏冬のさうぞくしてこころざす。御つかひさしをきてかへりぬ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)あて宮)
  3. そのままにしておく。捨てておく。放っておく。
    1. [初出の実例]「あはれにかなしき御ことをさしをきて、いかなる昔がたりをかきこえむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  4. 大事な人や物事をあとまわしにする。ないがしろにする。無視する。
    1. [初出の実例]「やまとなでしこをばさしをきて、まづ、ちりをだになど、親の心をとる」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
    2. 「摂政・関白を閣(さしおい)て、三公内覧の宣旨、是れぞ始めなる」(出典:保元物語(1220頃か)上)

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