病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説
抗コリン系パーキンソン病治療剤
《トリヘキシフェニジル塩酸塩製剤》
アーテン(ファイザー)
塩酸トリヘキシフェニジル(ニプロ)
セドリーナ(第一三共)
トリヘキシフェニジル塩酸塩(武田テバ製薬、武田薬品工業、共和薬品工業、長生堂製薬、日本ジェネリック)
トリヘキシン(キョーリンリメディオ、杏林製薬)
パキソナール(高田製薬)
パーキネス(東和薬品)
《ピロヘプチン塩酸塩製剤》
トリモール(長生堂製薬、日本ジェネリック)
《マザチコール塩酸塩水和物製剤》
ペントナ(田辺三菱製薬、吉富薬品)
《ビペリデン製剤》
アキネトン(大日本住友製薬)
ビペリデン塩酸塩(共和薬品工業、沢井製薬)
神経のはたらきを不活発にするアセチルコリンの作用を抑えて、神経のはたらきを活発にするアドレナリンとのバランスをとって筋肉の硬直、手指の震え、抑うつといった症状を改善する薬です。
特発性・その他のパーキンソニズム、向精神剤使用によるパーキンソニズム・ジスキネジア(運動障害)、アカシジア(静坐不能)などの治療に使います。
代表的な抗コリン系パーキンソン病治療剤がトリヘキシフェニジル塩酸塩製剤で、一般的にレボドパ製剤より効果は劣りますが、便秘、口の渇き、かすみ目などの副作用が少ない薬です。
ビペリデン製剤は、トリヘキシフェニジル塩酸塩製剤よりもさらに副作用が少なく、効果の低下しにくい薬です。
①過敏症状(
②口の渇き、目のかすみ、
このような症状が現れたときは、必ず医師に相談してください。また、副作用の中には検査をしないとわからないものもあるので、指示された検査は必ず受けてください。
①いろいろな剤型があります。1日2~4回、食後と就寝前に服用するのが原則です。初期には少量の服用から始め、少しずつ増量していって、維持量(継続して使う量)を決めることが多いものです。
ただし、1日あるいは1回の服用量・服用時間・服用回数・服用期間については、医師・薬剤師の指示を守り、かってに中止したり、減量・増量しないでください。
②あらかじめ問診の際に、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無を医師に報告するとともに、長期にわたって使用する薬ですから、使用前に薬の効果と副作用について医師・薬剤師からよく説明を聞き、注意事項をきちんと守ってください。
とくに、緑内障、重症筋無力症、この薬で過敏症状をおこしたことのある人、ピロヘプチン塩酸塩製剤やマザチコール塩酸塩水和物製剤では、尿路に閉塞性疾患のある人にも使用できません。このような人は、あらかじめ必ず医師に報告してください。
③不整脈または頻脈傾向にある人、肝・腎障害、高齢者、高温環境の人、脱水・栄養不良状態を伴う身体的疲労の強い人、薬によっては、胃腸管に閉塞性疾患がある人、三環系抗うつ剤に対して過敏症がある人、妊婦あるいは現在妊娠する可能性のある人、母乳で授乳している人、てんかんのある人、動脈硬化性パーキンソン症候群がある人は、使用にあたっての厳重な注意が必要となります。このような人は、あらかじめ必ず医師に報告してください。
④薬の効果を確かめるために、あるいは副作用がおこっていないかどうかを確かめるために、定期的な診察や検査が指示されることがあります。このようなときは、医師の指示通り必ず受けてください。
⑤めまい、ふらつきがおこることがあるので、自動車運転や危険を伴う作業は避けてください。
⑥飲酒によって副作用が現れやすくなります。この薬を使用中は禁酒を守ってください。
⑦この薬を使用中にほかの薬を使用する必要が生じたときは、必ず医師に相談してください。薬によっては、神経のはたらきを抑える薬(催眠鎮静剤、抗精神病剤、抗不安剤など)、抗うつ剤、精神刺激剤(中枢神経興奮剤)、ほかの抗コリン剤(消化性潰瘍治療剤)、ほかのパーキンソン病治療剤、制酸剤、止痢剤(下痢止め)などを併用すると、薬の効果が低下したり、副作用が現れたりします。
出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報