家格(読み)かかく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「家格」の解説

家格
かかく

家柄ともいう。家の格式。家にそなわった伝統的な資格をさす。とりわけ江戸時代には,個人よりも家が重んじられ,社会的地位を示す家柄を尊重するという観念が,公家のみならず,武家庶民の間にも行き渡っていた。武士も庶民も,個人の能力に優先するこの家格によって評価され,その社会的地位に応じた生活様式儀礼習慣を守るよう義務づけられていた。このしきたりは明治維新以後,近代法のもとでもなお封建的家族制度として温存された。

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精選版 日本国語大辞典「家格」の解説

か‐かく【家格】

〘名〙 家の格式。家柄。
※随筆・胆大小心録(1808)一一四「俳かいし、昔は京も田舎も家格がたって、しさいらしい物じゃあった」

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世界大百科事典 第2版「家格」の解説

かかく【家格】

ある一定の地域社会内で認められた家の地位,格式をさす。
[古代・中世]
 日本でこうした家格観念が発生したのは,おそらく平安時代中ごろの中央貴族層の世界でのことと考えられる。それは,古代の律令国家時代には国家官僚の職業として存在していた各種の業務が,この時代からある特定の家柄により代々継承されるようになった風潮の中で,はじめて具体化されたとみることができる。たとえば,法律を家業とする坂上,中原家,文筆の家である菅原家などがそれである。

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世界大百科事典内の家格の言及

【官位】より

…将軍および世子以下の官位昇進の次第は3代家光時代にその例規が定まり,将軍宣下とともに正二位内大臣となり,のち従一位左大臣に進み,正一位太政大臣を追贈され,世子は従二位権大納言となり右大将を兼ねるのを例とした。御三家,万石以上の大名の官位もその地位の高下,家格によって定まっていて,尾張・紀伊両家の従二位権大納言,水戸家,御三卿の従三位権中納言,加賀前田家の従三位参議を最高とし,以下従五位下まで数等に分かれ,城主格以上の大名は従五位下の国守に叙任されるのを例とした。いわば官位は家格と一体のものとして扱われ,その高下は江戸城中の座席や礼法等の差異にもあらわれた。…

【仙台藩】より

…52年(承応1)には貨幣納・米納の二本立てを廃し,田方は原則として米納に改めた。家臣は伊達家譜代の臣のほか戦国期に大名であった者を含め新規に召し抱え,これを一門,一家,準一家,一族,宿老,着座,太刀上,召出,平士の家格制によって編成した。70年(寛文10)の侍帳によれば,これに組士を加えた士分3746人,足軽以下4670人,計8416人であったが,軍事上重要な場所に大身の家臣を配置し,城,要害,所,在所の4種に格付けた。…

【老中】より

… 老中の呼称が一般的になり,その職掌が制度的に定まるのは3代将軍家光のときである。以後政治的権威の伝統化(家格の成立)にともない,老中になる家柄も2万5000~10万石の譜代大名の家に固定するが,それらは上記2種の〈老〉のいずれかに系譜を引いている。したがって老中は戦時には諸大名からなる軍団をそれぞれ指揮すべきものと,江戸時代を通じて観念されていたのであり,実際にも大坂の陣においては,三河以来の〈老〉である酒井忠世たちと並んで,出頭人型の〈老〉である土井利勝も一つの軍団の指揮を預った例がある。…

※「家格」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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