接触法(読み)セッショクホウ(その他表記)contact process

翻訳|contact process

デジタル大辞泉 「接触法」の意味・読み・例文・類語

せっしょく‐ほう〔‐ハフ〕【接触法】

一般に、触媒を用いる合成法。ふつうは固体触媒を用いる硫酸の工業的製法をさす。触媒に酸化バナジウムを用いて二酸化硫黄三酸化硫黄とし、これを希硫酸に吸収させて濃硫酸とするなど。

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精選版 日本国語大辞典 「接触法」の意味・読み・例文・類語

せっしょく‐ほう‥ハフ【接触法】

  1. 〘 名詞 〙 固体触媒の表面気体液体が反応する場合のように、不均一な相の界面で起こる触媒反応を用いる方法接触分解法など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「接触法」の意味・わかりやすい解説

接触法
せっしょくほう
contact process

硫酸製造法の一種。正しくは接触式硫酸製造法というべきであろう。触媒を用いて二酸化硫黄(いおう)を空気で酸化して硫酸を製造する。硫黄や硫化鉱を焙焼(ばいしょう)して得た二酸化硫黄を、遠心力を利用した除塵(じょじん)装置(サイクロン)や電気で微粒子を除く電気集塵装置(ダストコットレル)を用いて精製したのち、触媒を充填(じゅうてん)した転化器とよばれる酸化装置に送り込み三酸化硫黄にする。二酸化硫黄の酸化は発熱反応なので、転化器で同時に余分の熱を除去する。生成した三酸化硫黄を吸収塔で98.3~99.2%の濃硫酸に吸収させ、そのまま発煙硫酸として、あるいは希硫酸で所定の濃度に希釈して濃硫酸として出荷する。接触法による硫酸は鉛室法など硝酸式のそれに比べて純度、濃度とも高いので、現在ではほとんどこの方法によっている。接触法では触媒の選択が重要で、当初は白金が用いられたが高価なので、現在では五酸化バナジウムがほとんどである。また二酸化硫黄源としては金属精錬の廃ガス、石油精製時に副生する硫黄も用いられる。

[足立吟也]

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百科事典マイペディア 「接触法」の意味・わかりやすい解説

接触法【せっしょくほう】

硫酸製造法の一つ。空気と亜硫酸ガスの混合気体を除塵(じょじん)・精製後,約450℃で五酸化バナジウム系の触媒層を通して無水硫酸とし,これを濃硫酸に吸収させて発煙硫酸をつくり,希硫酸または水で薄めて濃硫酸をつくる。高純度・高濃度の硫酸が得られ,現在では主流になっている。
→関連項目鉛室法塔式法硫酸

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世界大百科事典(旧版)内の接触法の言及

【化学工業】より

… また18世紀末には硫酸の製造転換が起こった。それまでの鉛室法にかわって,亜硫酸ガスを直接酸素と反応させる接触法が開発され,以後,主流となっていった。この結果,硫酸が大量に安く手に入るようになり,インジゴ染料を工業的に合成することが可能になった。…

※「接触法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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