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焙焼 ばいしょうroasting

翻訳|roasting

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

焙焼
ばいしょう
roasting

鉱石を製錬しやすい形に加熱変成する予備処理。煆焼 (かしょう) が単なる加熱分解であるのに対し,焙焼は化学的に変成する点で異なる。酸化,硫酸塩化,塩化,還元などの諸法がある。 (1) 酸化焙焼 硫化鉱,ヒ化鉱などを酸化雰囲気中で加熱酸化する。完全酸化と部分酸化があり,前者は亜鉛・鉛鉱に,後者は銅鉱に行われる。 (2) 硫酸化焙焼 弱酸化雰囲気で硫化鉱を焼き水溶性硫酸塩とする。黒鉱 (くろもの) のような複雑硫化鉱の湿式製錬の予備処理。 (3) 塩化焙焼 食塩,塩化カルシウム,塩素ガスなどの塩化剤を用いて塩化物とする。湿式製錬またはクロル法の予備処理。 (4) 還元焙焼 炭素,水素,天然ガスなどの還元剤を用いて酸化鉱を低級酸化物に変成する。磁力選鉱にかけるため非磁性の赤鉄鉱 (Fe2O3) を磁鉄鉱 (Fe3O4) にするのがその例。還元で直接金属が得られる場合は一種の製錬で,直接製鉄法やニッケル酸化鉱の直接還元の例がある。以上の諸法を通じ加熱法は多様で,自然性硫化鉱の場合は野焼きすることもあり,その他鍋炉,竪型炉,回転円筒炉,多段焙焼炉フラッシュ焙焼炉などがある。

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デジタル大辞泉の解説

ばい‐しょう〔‐セウ〕【×焙焼】

[名](スル)
あぶり焼くこと。
金属の硫化物・砒化物(ひかぶつ)・アンチモン化物の形の鉱物を、融解しない程度の温度で焼き、硫黄砒素などを酸化させたり気化させたりすること。金属精錬の予備処理として行われる。

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百科事典マイペディアの解説

焙焼【ばいしょう】

鉱石を融点以下に加熱して化学的組成などを変え,製錬を容易にする操作。硫化鉱,ヒ化鉱などに適用。酸化物に変える酸化焙焼,硫化鉱から硫酸塩への硫酸化焙焼,硫化鉱から塩化物への塩化焙焼,赤鉄鉱Fe2O3から酸化鉄(III)鉄(II)Fe3O4への還元焙焼などがある。
→関連項目乾式製錬湿式製錬電解製錬

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栄養・生化学辞典の解説

焙焼

 あぶって焼くこと.

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世界大百科事典 第2版の解説

ばいしょう【焙焼 roasting】

金属製錬の予備処理工程の一つで,鉱石を融点以下の温度で加熱し,揮発性の成分を除去したり,化学反応によって化合物の形を変化させることをいう。工業的に広く行われているのは硫化鉱の酸化焙焼である。たとえば亜鉛製錬では,精鉱を空気中で加熱して主成分の一つである硫黄を二酸化硫黄の形で除去し,亜鉛を酸化亜鉛にする焙焼工程が必要である。ほかに,酸化物原料にコークスと食塩を混ぜて加熱し,塩化物を得る塩化焙焼,鉄鉱石などを水素雰囲気中で加熱する還元焙焼などがある。

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大辞林 第三版の解説

ばいしょう【焙焼】

( 名 ) スル
鉱石をその融点以下の高温度に加熱して、化学的・物理的変化を起こさせる操作。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

焙焼
ばいしょう
roasting

金属製錬の予備処理として、製錬本工程に適する化学組成にするため、鉱石が溶融しない程度の温度で化学変化をおこさせる処理をいう。たとえば鉛・亜鉛などの非鉄金属の鉱石の多くは硫化鉱であり、そのままの形では金属に還元することも、また酸などに溶解することもむずかしい。そこで、これに空気を送って加熱すると着火し、継続的に反応して酸化物になると同時に硫黄(いおう)分は燃焼・酸化して亜硫酸ガスとなり、鉱石から分離除去される。酸化された鉱石は還元も酸への溶解も容易となる。これは酸化焙焼の例で、亜硫酸ガスとして分離した硫黄はさらに酸化して水に吸収させ硫酸として回収するのが普通で、酸化に伴う大量の発熱はボイラーにより蒸気あるいは電力として回収される。
 焙焼には従来種々の炉が使われてきたが、現在では、完全密閉式で自動操業ができ、温度制御性と炉内均一性に優れた流動焙焼炉が使われるのが普通である。
 焙焼には前述の酸化焙焼のほか、低品位の褐鉄鉱を還元焙焼して磁性をもつ磁鉄鉱に変え、磁力選鉱によって高品位化する例や、水溶性にするため、硫化鉱を硫酸化焙焼して硫酸塩に変えたり、酸化鉱を塩化焙焼して塩化物とするなど、目的によりさまざまな焙焼法が行われる。塩化焙焼の例として、チタンの原料であるルチル鉱を塩素ガス中で焙焼して四塩化チタンとし、これをマグネシウムで還元する製錬法がある。[阿座上竹四]

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