兵庫県明石市と淡路島の間にあり,大阪湾と播磨灘をつなぐ海峡。六甲山地とその延長である津名丘陵の間が陥没してできた海峡で,もっとも狭い神戸市垂水区舞子地区と淡路市の旧淡路町の松帆ノ浦の間は約4kmで,潮流最強時は時速9kmに達する。古くから畿内の西口として著名で,柿本人麻呂の短歌〈天離(あまさか)る夷(ひな)の長道(ながじ)ゆ恋ひ来れば明石の門(と)より大和島見ゆ〉は往時の海峡往還の状況を伝え,平安初期には官営の渡しができた。現在,海峡を通過する船舶は別府航路の内海汽船をはじめ外国船も多いため,全長200m以上の船には航行管制が行われている。また明石市と旧淡路町岩屋の間に播淡連絡船が発着し,道路公団の経営を前身とするカーフェリーも通じる。1998年4月世界最長の吊橋,明石海峡大橋(橋長3911m,中央支間長1991m)が完成,既に開通している鳴門大橋と合わせて本州四国連絡橋神戸・鳴門ルートが貫通した。付近は好漁場であったが,乱獲と海水汚濁のため漁獲量は急減した。
執筆者:小森 星児
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兵庫県南部の明石市と淡路島(あわじしま)に挟まれた幅約4キロメートルの海峡。古くは赤石門(あかしのと)とよばれ、両岸は白砂青松の名勝として知られた。大阪湾の西口にあたり、内外船舶の往来が激しい水陸交通の中心地である。しかし、淡路島の松帆浦沖は6~7ノットの急潮流で海の難所である。神戸市舞子浜と淡路島岩屋の間には本州四国連絡橋神戸―鳴戸(なると)ルートの一部をなす明石海峡大橋(1998年完成)が架かる。また、『万葉集』には「明石の門(と)」「明石大門(おおと)」として柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)、山部赤人(あかひと)などによって詠まれている。
[二木敏篤]
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