1937年(昭和12)12月に,内閣により設置された教育に関わる審議機関。内閣総理大臣の諮問に応じ,「教育ノ刷新振興ニ関スル重要事項ヲ調査審議ス」とされた(教育審議会官制)。1942年5月に廃止されるまでの4年6ヵ月間に学校教育から社会教育,教育行財政に至るまで包括的な審議がなされ,七つの答申と四つの建議が可決されている。大学に関しては1940年9月に「高等教育ニ関スル件」が答申された。そこでは昭和初年以来の学制改革論議の焦点であった大学と専門学校の一元化論は認められず,現状維持とされた。他方で,大学の目的規定に「皇国ノ道」に基づくという表現を入れること,新たに女子大学制度を創設することなども提案された。部分的には新しい方向性はあったが,全体としては帝国大学関係者が議論をリードし,従来の大学のあり方の維持を目指した提案が主であった。しかもそれらの提案の多くは戦局の悪化により実現せず,この審議会が同時代の大学改革に果たした役割は限定的だったとされる。他方でこの審議会が,そもそも戦時対応ではなく,より長期的な観点からの提案を目指していたとの見方もある。
著者: 伊藤彰浩
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報
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