新十津川(読み)しんとつかわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「新十津川」の意味・わかりやすい解説

新十津川(町)
しんとつかわ

北海道中西部、空知(そらち)総合振興局管内の町。町域は石狩(いしかり)川右岸から増毛(ましけ)山地に広がる。1957年(昭和32)町制施行。1889年(明治22)大洪水被害を受けこの地に団体移住した奈良県十津川(とつかわ)村民約2500人により開拓された。このとき北海道で最初のアメリカ式の碁盤目の土地区画が実施され、入植が行われた。札幌から石狩川右岸沿いに国道275号が通じ、2020年(令和2)4月までは、これとほぼ並行してJR札沼線(さっしょうせん)(学園都市線)が通じていた。バスで対岸滝川(たきかわ)市に出ればJR函館(はこだて)本線に連絡し、車は道央自動車道滝川インターチェンジが利用できる。町域には国道451号も通じる。石狩川の氾濫原(はんらんげん)を中心水田が広がり、空知米作地帯の一角を占める農村地帯である。石狩川支流の徳富(とっぷ)川流域では酪農も行われてきたが、1970年代以降は水田からの転作による野菜栽培や肉牛飼育の導入で複合経営が増えた。北西町境に暑寒別岳(しょかんべつだけ)(1491メートル)がそびえ、一帯は暑寒別天売焼尻(しょかんべつてうりやぎしり)国定公園に指定されている。面積495.47平方キロメートル、人口6484(2020)。

[柏村一郎]

『『新十津川町史』(1966・新十津川町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「新十津川」の意味・わかりやすい解説

新十津川[町] (しんとつかわ)

北海道中央部にある空知(そらち)支庁樺戸(かばと)郡の町。人口7249(2010)。石狩川中流部の西岸に位置し,肥沃な平野部と増毛(ましけ)山地東斜面の丘陵地からなり,山林が町域の大半を占める。石狩川と支流徳富(とつぷ)川の合流点近くに中心集落があり,JR札沼(さつしよう)線の終点となっている。1889年奈良県十津川郷は洪水による大災害を受け,これを機に北海道への集団移住が行われ,600戸,2489人がこの地に入植した。翌々年さらに同郷の罹災者の入植があったのち約10年間は他県からの入植者はなく,道内でも特異な歴史をもつ。また北海道庁の拓殖地の区画割りの制が初めて行われた地でもある。徳富川からの導水による水田地帯が早くから開け,空知米作地帯の一角を形成している。徳富ダムがある。
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百科事典マイペディア 「新十津川」の意味・わかりやすい解説

新十津川[町]【しんとつかわ】

北海道中央部,樺戸(かばと)郡の町。石狩川流域の細長い平地に札沼線が通じる。米作を中心に,野菜栽培,肉用牛の飼育など。石狩川の支流徳富川上流に新十津川ダムがある。奈良県吉野郡十津川村の住民が開拓した。495.47km2。7249人(2010)。

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