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追加法 ついかほう

世界大百科事典 第2版の解説

ついかほう【追加法】

〈追加〉とは,〈本式目〉ともよばれた《御成敗式目》を補充追加する意味で,目以後の鎌倉幕府法を追加法と総称する。ただし追加法を収録した各種追加集のなかには,式目以前の貞応・嘉禄・寛喜年間のものも若干含まれているが,そのほとんどは承久の乱後の新補地頭の権利内容についての法令であり,その点について条文を欠く式目を補完する性質をもつ。追加法の多くは単行法であるが,中には1261年(弘長1)の新制のように式目を上回る条数をもつものもあり,内容も民事・刑事の裁判規範にとどまらず,軍事警察や種々の禁制など広範囲にわたっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

追加法
ついかほう

御成敗式目(ごせいばいしきもく)に追加された法の意。最狭義には、御成敗式目に「追加」として書き継がれた三十余箇条を指すが、それ以外に鎌倉・室町両幕府によって発せられた単行法令の類を指すこともあり、日本史学界の慣習的な用語としては、「追加集」と呼ばれるテクスト群に収録されたものや、その他さまざまな逸文から復元された単行法令の類を、広く「追加」ないし「追加法」と呼びならわしている。
追加集には、鎌倉幕府の政務処理上の方針決定や具体的な判断例、奉行人や六波羅探題(ろくはらたんだい)などに宛てられた指示命令などが幅広く採録されている。その原資料は、奉行人たちがそれぞれに業務上接した情報を手控えとして遺し、爾後の参照のために蓄積したものであるが、採録の範囲は網羅的でなく、標準化されてもいない。それらを基として「追加」の組織的な集成作業が行われたのは南北朝期以降のことであり、その結果、室町幕府のもとでは、「追加」を関連分野ごとに類別編纂した『新編追加』など、或る程度標準化された「追加集」が奉行人の実務上の参照に供されていたと推測される。[新田一郎]
『佐藤進一・池内義資編『中世法制史料集』第1巻・第2巻(1955、1957・岩波書店) ▽笠松宏至著『日本中世法史論』(1979・東京大学出版会) ▽石井進・石母田正他編『中世政治社会思想 上』(2001・岩波書店)』

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世界大百科事典内の追加法の言及

【武家法】より

…土地に対する長年におよぶ事実支配は,当該地に現実に行使されない権利に優先するという観念からつくられた年序法が,式目において知行年紀法として定立された例などは,その典型をなすものである。さらに,この式目およびその補充を目的に立法された追加法などの鎌倉幕府法は,幕府を支える地頭・御家人の家の自律性,領主支配の独立性を前提にしたかたちで立法されている。武士の家の内部に幕府権力が介入しえないという原則のもとに相続法,主従法が制定され,領主の農民支配に対しても,その独自の支配の権限を認めたうえで,為政者の立場から撫民法を制定し,そこに一定の基準をうちだしているにすぎないのである。…

※「追加法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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