日向神峡(読み)ひゆうがみきよう

日本歴史地名大系 「日向神峡」の解説

日向神峡
ひゆうがみきよう

矢部川上流にある峡谷で、矢部村西部から黒木くろぎ上月足かみつきあしにかけての一帯両岸に一〇〇メートル前後の巨岩がみられ、絶壁が屹立する一大景観をなす。矢部川県立自然公園のうち。阿蘇火山帯の一部で、筑後変成岩に貫入して日向神溶岩(両輝石含有角閃石安山岩)が形成され、貫入の規模や風化の違いにより蹴洞けほぎ岩・天戸あまど岩・屏風びようぶ岩などを残した。元禄八年(一六九五)の郡中品々寄(県史資料九)に日向神岩山とあり、大淵おおぶち(現黒木町)内とする。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日向神峡」の意味・わかりやすい解説

日向神峡
ひゅうがみきょう

福岡県八女市(やめし)矢部(やべ)地区から黒木(くろぎ)地区にかかる矢部川上流の峡谷。溶岩台地を矢部川が侵食して形成、天戸(あまと)岩、蹴洞(けほぎ)岩などの奇岩と絶壁が続き、山腹にはスギの美林がみられる景勝の地で、矢部川県立自然公園に含まれる。1963年(昭和38)に完成した日向神ダム周辺は釣りやキャンプに適し、湖畔にはサクラ並木が続く。地名は日向の神々が移り住んだという伝説に由来する。国道442号が通じ、黒木町黒木からバス45分。

[石黒正紀]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日向神峡」の意味・わかりやすい解説

日向神峡
ひゅうがみきょう

福岡県南部,矢部川上流にある渓谷八女市に属する。角閃安山岩が浸食されてできたもので,日向神岩,奥日向神岩などがそびえ,奇勝を呈する。1960年多目的ダムの日向神ダムが建設され,人工湖出現。スギ林も美しい。矢部川県立自然公園中心

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事典・日本の観光資源 「日向神峡」の解説

日向神峡

(福岡県八女郡矢部村)
福岡県文化百選 道編指定の観光名所。

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