一級河川で、幹川流路延長は六一キロ、流域面積は六二〇平方キロ。福岡・大分両県の県境にある
矢部川という名称の起源は不明で、「北筑雑藁」では
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
福岡県の南部を西流する川。長さ61km,流域面積620km2。大分県境の釈迦ヶ岳(1231m)に源を発し,八女市の旧八女市域にあたる中流で星野川を合わせ,大牟田市の北方,みやま市の旧高田町と柳川市の間で有明海に注ぐ。中流域で山野井川,花宗川の両灌漑用水路を分かち,下流のみやま市の旧瀬高町で沖端(おきのはた)川を分流する。水量豊かな急流で,水害が多発したため,上流の八女市の旧黒木町に灌漑・洪水調節・発電(1万3500kW)用の日向神(ひゆうがみ)ダムが建設されている。旧八女市を中心とする扇状地と筑後市から柳川市にかけての三角州,干拓地とからなる中・下流域は筑紫平野の南東部をなし,米麦をはじめ,ミカン,茶,電照菊,酪農,イグサ,野菜などの商業的農業が行われるほか,久留米絣,和紙,畳表,竹細工,仏壇,提灯,漬物,酒など農家の副業から発達した多彩な伝統工業がみられる。景勝の日向神渓や源氏ボタル(天)で知られる船小屋温泉などの観光地があり,流域の大半は矢部川県立自然公園に指定されている。
執筆者:土井 仙吉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
福岡県南部、大分県境の釈迦ヶ岳(しゃかがだけ)(1231メートル)に源を発して筑後平野(ちくごへいや)南部を西流、有明海(ありあけかい)に注ぐ一級河川。延長61キロメートル、流域面積647平方キロメートル。上流山地は多雨で流量が多く、日向神峡(ひゅうがみきょう)の景勝地となり、日向神ダムが1960年(昭和35)完成、スギ植林の美しい林業地帯である。中流で星野川、辺春(へばる)川、飯江(はえ)川などをあわせて、下流で沖端(おきのはた)川を分流。中・下流は農業地帯で、米麦のほか、ミカン、茶、イグサ、野菜、畜産など多角的な農業が営まれ、灌漑(かんがい)用の井堰(いせき)、回水路が発達している。流域は矢部川県立自然公園に指定され、日向神峡や船小屋(ふなごや)温泉など観光資源も多い。黒木のフジと船小屋ゲンジボタル発生地は国の天然記念物に指定されている。
[石黒正紀]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
…なお三池藩は1806年(文化3)に幕府に収公され,藩主立花種善は陸奥下手渡(しもてど)に移封されたが,68年(明治1)に旧地に復した。
[社会,経済]
筑後国の中心は筑後川および矢部川によって形づくられた筑後平野である。筑後川は筑後の〈母なる川〉であると同時に〈暴れ川〉である。…
※「矢部川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加