故事成語を知る辞典「日日是好日」の解説
日日是好日
[使用例] 普通に禅でいうところの虚空的な心の自由が得られて、日々これ好日の生涯を経るという程度の幸福なら、格別欲しくもなかった[岡本かの子*宝永噴火|1940]
[使用例] 一切の社会的罪悪から脱して、日々是好日の世界に暮して居ることを、自覚せよとの警示である[久保田万太郎*にわかへんろ記|1953]
[由来] 「碧巌録―六」に出て来ることば。九~一〇世紀、唐王朝が滅びる前後の時代の中国に、
[解説] ❶「碧巌録」は、禅問答の書物ですから、このお坊さんが何を言いたいのか、一般人にはよくわからないのも当然です。ただ、禅の無の境地に達すれば、どんなにいいことがあった日でもどんな災難に見舞われた日でも、なんら違いはないのだろうと思われます。❷だとすれば、「日日是悪日」でも、結果的には同じことになるはず。それを上向きに「好日」と表現しているところが、このことばが広く愛されてきた理由なのでしょう。「毎日をありがたく生きていく」といったニュアンスで用いられます。❸「日日」は、禅の世界では「にちにち」と読むのが習慣ですが、故事成語としては「ひび」とも読むこともあります。
〔異形〕日日好日。
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