増田寛也元総務相が座長を務め、産業界の代表者や大学教授らで構成する。2011年に発足した。昨年5月、40年時点で20~39歳の若年女性が10年と比べ半分以下になる自治体が全体の約5割に当たる896市区町村に上るとの試算を公表し「将来的に消滅の可能性がある」と指摘。人口減少問題への世論の関心を高め、安倍政権が掲げる地方創生施策に影響を与えた。
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東日本大震災直後の2011年(平成23)5月に、日本生産性本部などが中心となって発足した民間の政策提言組織。初代座長は、岩手県知事、総務大臣を歴任した増田寛也(ひろや)(1951― )。メンバーには経済人、連合トップなどの労働界代表、大学教授、事務次官経験者などの元官僚ら有識者が加わっている。東日本大震災からの復興を日本創成の契機と位置づけ、10年後の世界・アジアを見据えた日本全体のグランドデザイン策定を目的としている。人口問題や、エネルギー問題のほか、地域活性化、グローバル対応などに関する政策提言が多い。2014年に提言した「ストップ少子化・地方元気戦略」では、地方自治体のほぼ半数にあたる896自治体が2040年までに消滅のおそれがあるとする「消滅可能性都市」を具体的な自治体名を列挙して公表し、注目を集めた。また、政府の審議会などに、座長をはじめとする多くの日本創成会議メンバーが加わっており、政府の政策決定にも一定の影響力をもっているとされる。
2011年10月に第1回提言「エネルギー創成」を発表し、原子力発電について反対か推進かの二者択一論を超えて、日本のエネルギー政策を、原発を利用しながら再生可能エネルギー利用へと転換するよう提案。同時に、ヨーロッパをモデルにした、アジア・大洋州諸国と電力供給を相互補完する広域電力網構想を提言した。2012年7月の第2回提言「地域開国:グローバル都市創成」では、地方都市をグローバル競争に耐えうる都市へ育成するよう提言し、外国とのアクセス網改善や超高エネルギーの電子・陽電子の衝突実験を行う国際リニアコライダーの誘致などを提案した。2015年6月の「東京圏高齢化危機回避戦略」では、2025年に都心1都3県で介護施設が13万人分不足するなどとの試算を基に、41地方都市への高齢者の移住の必要性を強調した。このほか2012年に「グローバル研究都市の創成」フォーラム、2013年に日米先端科学技術シンポジウムを開催するなど、国際会議の開催にも積極的である。
[編集部 2016年1月19日]
(2014-5-12)
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