日本政記(読み)ニホンセイキ

デジタル大辞泉 「日本政記」の意味・読み・例文・類語

にほんせいき【日本政記】

江戸後期の歴史書。16巻。頼山陽著。天保3年(1832)成立神武天皇から後陽成天皇までの歴史漢文編年体記述

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精選版 日本国語大辞典 「日本政記」の意味・読み・例文・類語

にほんせいき【日本政記】

  1. 江戸後期の史書漢文体一六巻。頼山陽著。天保九年(一八三八)序、弘化二年(一八四五)刊。神武天皇から後陽成天皇に至る間の日本史を漢文編年体で記し、歴史叙述の間に適宜その史観を述べている。

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改訂新版 世界大百科事典 「日本政記」の意味・わかりやすい解説

日本政記 (にほんせいき)

神武天皇から後陽成天皇に至る編年体の歴史書。頼山陽の著。山陽没年の1832年(天保3)にほぼ脱稿門人の関藤藤陰らが完成。漢文体16巻。天皇歴代順の簡略な通史であるが,それをふまえて,主要な人物業績や事項をめぐって〈頼襄曰〉として92編の論賛が付けられ,山陽独特の歴史論・政治論が展開されている。45年(弘化2)刊行,61年(文久1)頼氏正本が刊行された。《頼山陽全書》《日本思想大系》所収
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本政記」の意味・わかりやすい解説

日本政記
にほんせいき

頼山陽(らいさんよう)が著した日本通史。1832年(天保3)山陽が病没直前に完成した最後の著述であり、また山陽の代表的業績の一つとされている。神武(じんむ)天皇から後陽成(ごようぜい)天皇までの漢文の編年史であるが、史実の記述よりは山陽の史論が中心となっている。16巻。1838年から明治前期にかけてしばしば版を重ねてよく読まれ、また注釈書や批判書も出て、幕末・明治の国民に広く思想的影響を与えた。

[福井 保]

『『頼山陽全書 第六巻』(1932・頼山陽先生遺蹟顕彰会)』『安藤英男訳『日本政記』(1976・白川書院)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本政記」の意味・わかりやすい解説

日本政記
にほんせいき

江戸時代後期の歴史書。 16巻。頼山陽著。山陽の死後,弘化2 (1845) 年に刊行された。神武天皇から後陽成天皇にいたる編年体の歴史書。漢文で書かれており,史実より史論に重点がおかれている。

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旺文社日本史事典 三訂版 「日本政記」の解説

日本政記
にほんせいき

江戸後期,頼山陽の歴史書
山陽死後の1845年刊。16巻。神武天皇から後陽成天皇に至る漢文体の編年史で,政権の治乱興亡を記述し論評したもの。山陽晩年の代表作。

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世界大百科事典(旧版)内の日本政記の言及

【頼山陽】より

…26年《日本外史》を完成,翌年松平定信に献上。続いて《通議》《日本政記》の執筆にとりかかり,前者を完成,後者をほぼ脱稿して病没した。 その学問は朱子学を奉じたが,実用の学たることを重視した。…

※「日本政記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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