日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本海事協会」の意味・わかりやすい解説
日本海事協会(にっぽんかいじきょうかい)
にっぽんかいじきょうかい
Nippon Kaiji Kyokai
国際船級協会の一つ。略称NK。通称ClassNK。1899年(明治32)帝国海事協会として創立、1946年(昭和21)に現名称となった。
海上保険業者や荷主あるいは船舶売買者に利便を与えるため、世界各国においては船舶に一定の等級をつけているが、その業務を担当する団体が船級協会といわれるものであり、日本における代表が日本海事協会である。これによって等級をつけられた船が船級船class-boatといわれ、船級は世界各国によって互認され、船舶保険やその売買、荷物を託するなどの行為において、関係者はいちいち船それ自体を見ることなしに、この船級によって契約ができるようになっている。日本海事協会においては、船級は船体、機関、および艤装(ぎそう)に対してそれぞれ符号をつけて示すことになっている。そしてこれを掲載した船名録を作製し、船舶番号、信号符字、船体構造、製造場所、製造年月、その他船舶要目の全般にわたる項目を併記して発行することを業務の第一としている。そして登録船側は、4年ごとの定期検査、毎年の中間検査、必要時の臨時検査を同協会から受けることによって船級の登録が継続できるようになっている。このほか満載喫水線、造船材料、海難による損傷などの検査を行うことをもって業務としている。
[茂在寅男]
『百周年記念誌編集委員会編『日本海事協会――その100年の物語』(1999・日本海事協会)』