長期信用銀行法に基づいて認可、運営された銀行。現、SBI新生銀行。長銀と略称していた。本銀行は、1952年(昭和27)長期信用銀行法が制定された直後に新設された。設立にあたっては、金融債を発行していた日本勧業銀行、北海道拓殖銀行の長期部門を引き継ぐ形をとった。高度成長期には、重化学工業部門に設備資金を供給することを通じて資金量を急速に伸ばした。資金の調達方法としては、預金のほかに、割引金融債(ワリチョー)と利付金融債(リッチョー)からなる金融債の発行によることに特徴があり、安定成長期に入って設備投資の伸びが鈍化してからは、海外投資金融、海外での証券引受業務にも重点を置き、長期金融分野での総合的サービス供給機関を目ざしていた。1990年代に入り、バブル経済が崩壊すると、金融債の売れ行きが鈍り、さらに多額の不良債権が発生したため、経営に行き詰まり、1998年(平成10)10月23日、国による特別公的管理銀行となり、一時的に国有化された。1999年9月アメリカのリップルウッド・ホールディングスを中心とする投資グループ、ニュー・LTCB・パートナーズ・C.V.への譲渡が決定し、2000年(平成12)3月には特別公的管理が終了して新体制での営業を開始した。2000年6月、行名を「新生銀行」に変更。2021年(令和3)SBIホールディングスの傘下に入り、2023年に行名をSBI新生銀行に変更した。
[原 司郎]
『日本長期信用銀行編・刊『日本長期信用銀行十年史』(1962)』
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
長期信用銀行法(1952公布)に基づく,長期金融専門の長期信用銀行として1952年12月設立された銀行。正しくは〈にっぽんちょうきしんようぎんこう〉と読む。新設された銀行であるが,特殊銀行であった日本勧業銀行(現,第一勧業銀行)と北海道拓殖銀行の長期金融業務を引き継ぐ形で発足。当時は民間と政府の出資により営業を開始したが,61年政府保有株式を消却し純粋の民間金融機関となった。主要産業に対する長期金融の資金源としては,5年もの利付金融債,同利子一括払型利付金融債,1年もの割引金融債などの債券の発行による。70年代中ごろから,国際金融の面にも力を注ぎ,その後ディーリングなど証券業務分野,海外資源開発など業務の多様化を進めた。バブル経済期のノンバンク経由の不良債権など多額の債務をかかえて1998年経営破綻し,初の特別公的管理(一時国有化)銀行となった。アメリカの投資会社,リップルウッド・ホールディングス・グループに譲渡された。2000年6月,行名を新生銀行とし,04年2月再上場を果たした。新生銀行は本店東京,資本金4513億円(2005年9月),経常収益2486億円(2005年3月期)。
執筆者:西村 隆司
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…〈長期信用銀行法〉(1952公布)に基づく長期金融機関。日本興業銀行,日本長期信用銀行,日本債券信用銀行の3行があるが,それぞれ異なった沿革をもっている。同法により新設された日本長期信用銀行と,1902年設立の特殊銀行から移行した日本興業銀行の2行が52年当初から存在し,その後57年に,旧朝鮮銀行の残余財産を継承した日本不動産銀行(1977年10月に日本債券信用銀行と改称)が新設された。…
※「日本長期信用銀行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新