「万葉集」では仮名書き例は「可豆思加和世」〔三三八六〕のみで、他は「速稲」「早稲」をワセと訓み、「早田」「早芽子」「早穂」をワサダ、ワサハギ、ワサホと訓んでいる。なお「正倉院文書」に見える「和左々酒」もこれらと関係があり、複合語の一要素となっている。「わさごめ」「わさなへ」などの語も後世見られ、「わせ」「わさ」のいずれの形を原形とするかは決しがたいが、単独形としては「わせ」であろう。
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
…早熟の稲を植えた田をいう。早稲田(わせだ)のこと。〈はやた〉ともいう。…
…〈たいとうごめ〉ともいい,太米(たいまい),秈(とうぼし),赤米(あかごめ)などとも称した。インドシナ半島の南東部にある占城(チャンパ)原産の早稲(わせ)の種類。11世紀の初頭,北宋政府により長江(揚子江)沿岸地帯に移植され,晩稲(おくて)との組合せで,この地方に二毛作による豊作をもたらしたという。…
…早熟の稲すなわち早稲(わせ),または,その早稲を玄米などにして領主に一定期限内に年貢として納入したものをいう。〈そうまい〉とも読む。…
※「早稲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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