書物を並べる棚で、本棚ともいう。和式と洋式がある。和式の書棚は江戸時代には厨子(ずし)棚、黒(くろ)棚とともに三棚といわれ、大名家の嫁入り調度の一つとされていた。厨子棚と黒棚は居間に置かれ、書棚は客間座敷に置かれた。しかし現在では書棚といえば、ほとんど洋式のものをさすようになった。
洋式のものには木製と鋼製があり、前者は主として家庭で使われ、後者はオフィスで使われる。構造のうえからは単位の大きさのものを組み合わせるユニット式、分解組立てするノックダウン式、天井と床の間に柱を立てて支える壁面取付け式などに分けることができる。また書物の収納量を増すために、書棚全体をレールの上にのせ、移動して前後に重ね合わせて収納する形式もある。書物の収容量は、間口90センチメートル、高さ180センチメートルのもので、普通200~250冊程度である。
[小原二郎]
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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…西洋では本来,聖書などを入れる〈バイブル・ボックス〉のように単純な蓋付きの箱を意味したが,後には書物をのせる棚と扉を備えた戸棚の形式を意味するようになった。ブックケースという語は一般にガラスの入った扉付きの戸棚を指すので,棚だけを備えた書棚book shelfとは区別する。ヨーロッパでは16世紀末ころまでチェスト(櫃)に書物や貴重品などを納めていた。…
※「書棚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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