デジタル大辞泉
「月性」の意味・読み・例文・類語
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月性 (げっしょう)
生没年:1817-58(文化14-安政5)
幕末に尊王攘夷を唱えた僧侶。周防国玖珂郡の真宗妙円寺住職の家に生まれる。九州,近畿,北陸を遊歴し,西洋で国家と密着したキリスト教の諸国への拡大,浸透を知り,仏教で日本を守護することを主張した。各地の尊攘運動の志士や長州藩の要路や吉田松陰と交わって海防僧として名を高めた。本山大谷本願寺に招かれ,紀州藩などにも遊説したが,帰郷中に病死した。著書に《仏法護国論》《清狂詩鈔》などがある。
執筆者:井上 勝生
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月性
げっしょう
(1817―1858)
江戸末期の浄土真宗本願寺派の僧。勤王家。字(あざな)は智円(ちえん)、清狂と号した。周防(すおう)国(山口県)の人。15歳のとき九州に遊学して仏教と漢学を修め、のち諸国を歴遊して文士、志士と交わること17年、名声は大いに高まった。ことに吉田松陰、頼三樹三郎(らいみきさぶろう)、僧黙霖(もくりん)と意気相投じた。つねに国家の前途を憂い、海防の必要を論じたため、人は彼を海防僧とよんだ。梅田雲浜(うんぴん)と紀州(和歌山県)の海防を論じ、独行して紀州藩老に説き、また、幕府の蝦夷(えぞ)経営に本願寺開教僧として赴こうとしたが病を得、志を果たさずして没した。『清狂遺稿』2巻、『仏法護国論』、『鴉片(アヘン)始末考異』の著作があり、「男子立志出郷関……」の詩句は大いに人口に膾炙(かいしゃ)した。
[瓜生津隆真]
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月性
没年:安政5.5.11(1858.6.21)
生年:文化14.9.27(1817.11.6)
幕末の真宗の勤王僧。周防国大島郡遠崎村(山口県大畠町)妙円寺住職。字は知円,号は清狂。父は祇城,母は尾上。天保14(1843)年「男児志を立てて郷関を出づ,学若し成る無くんば復た還らず,骨を埋むる何ぞ期せん墳墓の地,人間到る処青山有り」の詩を残し京畿,北陸,関東を歴遊,広く名士と交わる。安政3(1856)年,本願寺に招かれ東山別院に寓居。梁川星巌,梅田雲浜ら在京の志士と尊王を語り合い,吉田松陰と詩を応酬した。同4年紀伊に海防急務策を遊説したのち帰郷。母の死に遭い,自らも病を得て翌年没した。<著作>『清狂吟稿』『月性遺稿』『仏教護国論』<参考文献>千河岸桜所『釈月性』
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
月性 げっしょう
1817-1858 江戸時代後期の僧。
文化14年9月27日生まれ。周防(すおう)(山口県)浄土真宗本願寺派妙円寺の住職。諸国を遊歴し,帰郷して私塾清狂草堂をひらく。吉田松陰,頼三樹三郎(らい-みきさぶろう)らと親交をむすぶ。尊王攘夷(じょうい),海防の必要をとなえて海防僧とよばれた。安政5年5月11日死去。42歳。字(あざな)は知円。号は清狂。著作に「仏法護国論」など。
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月性
藩の各地をまわって仏教の教えを説くかたわら、仏教にもとづいた独自の海防論も説いたので、海防僧と呼ばれました。また、妙円寺の境内にひらいた私塾の時習館[じしゅうかん](清狂草堂[せいきょうそうどう])で多くの若者を教え、入江石泉[いりえせきせん]、大楽源太郎[だいらくげんたろう]などが影響を受けました。
出典 ほうふWeb歴史館防府市歴史用語集について 情報
月性
げっしょう
[生]文化14(1817).周防,鳴門
[没]安政5(1858).5.11. 周防
幕末,攘夷論を唱えた浄土真宗妙円寺の僧。字は知円。号は清狂。 15歳のとき郷里を出て,北九州各地で修行,のち京都,江戸を巡遊。吉田松陰,梅田雲浜と交わる。漢詩をよくし,また著書に『仏法護国論』がある。
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月性 (げっしょう)
生年月日:1817年9月27日
江戸時代末期の真宗の勤王僧
1858年没
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の月性の言及
【大畠[町]】より
…毎年旧暦8月23日に豊漁を祈って行われる俄(にわか)祭は有名で,多くの見物人でにぎわう。また攘夷論者で海防論を説いた[月性](げつしよう)の詩碑が彼が住職を務めた妙円寺境内にある。山陽本線が通じる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」