日本大百科全書(ニッポニカ) 「月潟」の意味・わかりやすい解説
月潟
つきがた
新潟県中央部、西蒲原郡(にしかんばらぐん)にあった旧村名(月潟村(むら))。現在は、新潟市(にいがたし)の南部(南(みなみ)区の一部)にあたる。2005年(平成17)、月潟村は新津(にいつ)市、白根(しろね)市、豊栄(とよさか)市、小須戸(こすど)町、横越(よこごし)町、亀田(かめだ)町、西川(にしかわ)町、岩室(いわむろ)村、味方(あじかた)村、潟東(かたひがし)村、中之口(なかのくち)村とともに新潟市に編入。旧町域は中ノ口(なかのくち)川左岸に位置し、国道460号が通じる。近世は三条金物町の一環として月潟鎌(かま)を産し、現在も農村向けの鎌の生産地である。また、古くから越後(えちご)の囲(かこ)い梨(なし)の三大産地として類産(るいさん)ナシの国指定天然記念木も残る果樹栽培地で、近年はハウスブドウ、早場モモ、ナシの産地になっている。越後の角兵衛獅子(かくべえじし)はここが発祥地で、雪国の長い農閑期の旅稼ぎとして発生したものである。
[山崎久雄]
『『月潟村誌』(1978・月潟村)』