改訂新版 世界大百科事典 「有馬頼徸」の意味・わかりやすい解説
有馬頼徸 (ありまよりゆき)
生没年:1714-83(正徳4-天明3)
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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筑後(ちくご)国(福岡県)久留米(くるめ)藩主。大名(だいみょう)の数学者として有名。号は林窓菴(りんそうあん)ほか多数。数学を山路主住(やまじぬしずみ)に習い、関孝和(せきたかかず)、建部賢弘(たけべかたひろ)、松永良弼(よしすけ)たちの業績をまとめ、しかも自分のくふうも含めて多くの著書を著す。刊行されたのは『拾璣算法(しゅうきさんぽう)』(1769)だけであるが、点竄(てんざん)のよい教科書として大いに歓迎された。巻末に、弧の長さに関する三つの無限級数(円理)の公式を示した。藤田貞資(さだすけ)・嘉言(かげん)父子のほか多くの数学者を家臣にして庇護(ひご)した。関流が他の流派より評判を高くしたのは有馬頼徸の援助によるところが大きい。久留米に生まれ、同地で没。
[下平和夫]
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
…文化の面では儒学者合原藤蔵,樺島石梁(以上久留米),安東省庵・節庵(柳河)らが思想界に重きをなした。また久留米藩主有馬頼徸(よりゆき)は数学をよくし《拾璣算法(しゆうきさんぽう)》を著し,久留米出身の発明家田中久重は〈からくり儀右衛門〉と称され,全国に名を馳せた。 1871年(明治4)7月の廃藩置県で久留米,柳河,三池の各藩はそれぞれ県となったが,同年11月に三潴県に統合された。…
…一方,関西では鎌田俊清(1678‐1747)が《宅間流円理(たくまりゆうえんり)》(1722序)をまとめ,arcsinxやsinxのべき級数展開を示している。
[有馬頼徸]
松永良弼の弟子山路主住(1704‐72)は,中根元圭,松永良弼,久留島義太の業績を受け継いで,これを弟子に伝えた。彼自身の業績としては循環小数の研究がある。…
※「有馬頼徸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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