望月朴清(読み)モチヅキ ボクセイ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「望月朴清」の解説

望月 朴清(4代目)
モチヅキ ボクセイ


職業
長唄囃子

専門
歌舞伎囃子,小鼓

肩書
望月家元(4代目) 重要無形文化財保持者(歌舞伎音楽・囃子)〔平成10年〕

本名
安倍 啓仁(アベ ヒロマサ)

別名
前名=望月 長左久(5代目)(モチズキ チョウサク),望月 太左衛門(11代目)(モチズキ タザエモン)

生年月日
昭和9年 1月8日

出生地
東京市 市谷本村町(東京都 新宿区)

学歴
暁星学園中〔昭和24年〕卒

経歴
9代目望月太左衛門の長男で、祖父は3代目望月朴清。祖父・父ともに名人として名高く、幼い頃から父に囃子、母・杵屋和春からは三味線の手ほどきを受けた。昭和26年より伯母望月初子に鼓を師事、28年5代目望月長左久を襲名。以後、国光会、現代クラブなどの演奏会、録音などで活動。邦楽傍ら、現代音楽やジャズのセッションにも加わり、広い世界を経験。57年から望月長佐久鼓の会を開催。63年11代目望月太左衛門を襲名、家元となる。6代目尾上菊五郎劇団音楽部に所属、63年から囃子代表。平成5年4代目朴清を襲名し、55年ぶりに名跡を復活させた。10年人間国宝。13年紫綬褒章、18年旭日小綬章。気迫のこもった演奏で知られた。弟の堅田喜三久も人間国宝。

所属団体
長唄協会

受賞
芸術選奨文部大臣賞〔平成10年〕 紫綬褒章〔平成13年〕,旭日小綬章〔平成18年〕 芸術祭賞優秀賞〔昭和59年〕

没年月日
平成19年 9月20日 (2007年)

家族
父=望月 太左衛門(9代目),母=杵屋 和春(三味線奏者),弟=堅田 喜三久,祖父=望月 朴清(3代目)(=7代目太左衛門)

親族
伯父=望月 太左衛門(8代目),堅田 喜惣治(3代目),伯母=望月 初子(長唄囃方),叔母=藤舎 呂船(5代目)


望月 朴清(3代目)
モチヅキ ボクセイ


職業
長唄囃子方

専門
歌舞伎囃子

肩書
望月流家元

本名
安倍 清三久

別名
前名=望月 長作,望月 長三久,望月 長左久,望月 長九郎(4代目),望月 太左衛門(7代目)(モチズキ タザエモン),俳名=朴清(3代目)

生年月日
文久2年 3月16日

出生地
陸奥国 仙台柳町(宮城県 仙台市)

経歴
仙台の囃子方堅田喜三久の長男。明治6年12歳で上京、3代目望月長九郎の門弟となり、12年新富座、16年中村座タテ太鼓、19年千歳座に出てタテ小鼓に昇進、31年4代目長九郎を継ぐ。38年7代目太左衛門を襲名、家元となった。2代宝山左衛門が自ら太左衛門を名乗り“二人望月太左衛門”の珍事を現出したが、43年山左衛門の死で解消。44年帝劇専属。大正9年長男の2代目望月長左久に8代目太左衛門を相続させて隠居、3代目望月朴清を名乗った。演奏技術、作調にすぐれ、望月流の黄金期をきずく。作曲に「連獅子」「菖蒲浴衣」「岸の柳」などがある。

没年月日
昭和13年 5月19日 (1938年)

家族
父=堅田 喜三久,息子=望月 太左衛門(8代目),望月 太左衛門(9代目),堅田 喜惣治(3代目),娘=藤舎 呂船(5代目),孫=望月 朴清(4代目)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

20世紀日本人名事典 「望月朴清」の解説

望月 朴清(3代目)
モチヅキ ボクセイ

明治・大正期の長唄囃子方 望月流家元。



生年
文久2年3月16日(1862年)

没年
昭和13(1938)年5月19日

出生地
陸奥国仙台柳町(宮城県仙台市)

本名
安倍 清三久

別名
前名=望月 長作,望月 長三久,望月 長左久,望月 長九郎(4代目),望月 太左衛門(7代目)(モチズキ タザエモン)

経歴
仙台の囃子方堅田喜三久の長男。明治6年12歳で上京、3代目望月長九郎の門弟となり、12年新富座、16年中村座立太鼓、19年千歳座に出て立小鼓に昇進、31年長九郎を継ぎ4代目。38年7代目太左衛門を襲名、家元となった。2代宝山左衛門が自ら太左衛門を名乗り“二人望月太左衛門”の珍事を現出したが、43年山左衛門の死で解消。44年帝劇専属。大正9年長男の2代目望月長左久に8代目を相続させて隠居、望月朴清を名乗った。作曲に「連獅子」「菖蒲浴衣」「岸の柳」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「望月朴清」の解説

望月朴清(4代) もちづき-ぼくせい

1934-2007 昭和後期-平成時代の歌舞伎囃子(はやし)方。
昭和9年1月8日生まれ。望月流。父の9代望月太左衛門に小鼓(こつづみ)をまなび,昭和25年初舞台。30年尾上菊五郎劇団の「土蜘蛛(つちぐも)」公演で立鼓を担当し,63年から劇団の囃子代表。11代望月太左衛門をへて,平成5年4代朴清を襲名し,55年ぶりに名跡を復活させた。10年人間国宝。平成19年9月20日死去。73歳。東京出身。暁星学園卒。本名は安倍啓仁(ひろまさ)。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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