木馬(読み)もくば

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

木製の馬。西欧ではトロヤ戦争のおり、ギリシア連合軍がトロヤ軍を破った伝説に木馬がみられる。19世紀初頭には子供の玩具(がんぐ)として弓形の枠の台に木馬を取り付け、前後に揺り動かすことのできるロッキングホースrocking horseが広く用いられた。また車付きで引っ張ることのできる木馬もみられた。これらのものは、日本でも明治時代から上流家庭に入った。
 日本では江戸時代に、武士の子弟の馬術の練習用としての木馬があった。木馬に、手綱(たづな)、障泥(あおり)などをつけ、鐙(あぶみ)の乗り降り、鞭(むち)の当て方を練習した。馬術を習うのに木馬を用いることは中国でもあったといわれている。また木馬は、乗馬に使用する鞍(くら)を掛けておく道具として用いられ、鞍掛とよばれた。
 木馬を拷問の道具として使用することもあった。馬の背の形につくったものに罪人をまたがらせ、両足に石を釣り下げた状態にした。
 現在、遊園地などにみられる、木馬を何台も取り付けたメリーゴーラウンドmerry-go-roundは、かつて東京・浅草の木馬館にみられ、子供たちに人気を博していた。[芳井敬郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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