日本大百科全書(ニッポニカ) 「メリーゴーラウンド」の意味・わかりやすい解説
メリーゴーラウンド
めりーごーらうんど
merry-go-round
回転木馬。遊園地や児童向き娯楽場などの主要遊戯乗り物の一つ。円形プラットホームに、主として木馬、その他の動物や馬車などの形をした座席があり、モーターの動力でプラットホームとともに回転し、木馬などは同時に上下運動する。中世ヨーロッパの騎士たちの、馬上からのやり投げ練習道具として考案されたカラセルcarouselがその発祥といわれ、このため欧米ではいまでもこの名でよばれることが多い。8世紀の初頭イギリス、フランスでいまのメリーゴーラウンドに近いものが、祭りの催し物として設置されるようになった。初め回転は人力によったが、1863年、イギリス人ブラッドショーが動力の機械化を考案した。
日本に登場したのは、1903年大阪で行われた内国勧業博覧会で、常設されるようになったのは1907年ころの浅草の遊園地である。スリル中心の現在の遊園地娯楽施設のなかにあって、メリーゴーラウンドの牧歌的雰囲気が、いまも幼児から高年齢層にまで愛されている。
[梶 龍雄]