杉山茂丸(読み)すぎやましげまる

百科事典マイペディア 「杉山茂丸」の意味・わかりやすい解説

杉山茂丸【すぎやましげまる】

政治家。号は其日庵夢野久作の父。福岡藩士の家に生まれる。1880年上京し,佐々友房により頭山満らと親交。日本の対外膨張政策に共鳴し,日清戦争南満州鉄道会社や台湾銀行設立韓国併合など裏面での暗躍が知られ,伊藤博文松方正義山県有朋をはじめ政界財界軍人と親交を結び,黒幕として活躍した。その一方で門司築港,関門海底トンネル事業など北九州の産業開発に尽力した。

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改訂新版 世界大百科事典 「杉山茂丸」の意味・わかりやすい解説

杉山茂丸 (すぎやましげまる)
生没年:1864-1935(元治1-昭和10)

明治・大正・昭和期の政治家。其日庵と号する。福岡藩士の家に生まれ,ルソーの《社会契約論》で自由民権の思想にふれる。1880年大志を抱いて上京する。佐々友房を介して頭山満を知り,国権論者として歩みはじめる。89年大隈重信外相襲撃事件に連座して投獄される。結城虎五郎,荒尾精らと日本の朝鮮・中国への進出を策し,南満州鉄道株式会社創設や,日韓併合の裏面で暗躍する反面,博多湾築港,関門海底トンネル事業など,郷土開発のために尽力した。伊藤博文,松方正義,山県有朋をはじめ,政界・財界・軍人と親交を結んだが,官途への誘いに,浪人は自分の本領であるとして応ぜず,政界の黒幕として活躍した。小説家夢野久作の父。
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新訂 政治家人名事典 明治~昭和 「杉山茂丸」の解説

杉山 茂丸
スギヤマ シゲマル


生年月日
元治1年8月15日(1864年)

出生地
筑前国(福岡県福岡市)

経歴
13歳の時ルソーの民約論を読み、明治13年上京、自由民権運動に参加。22歳の時、玄洋社の頭山満を知り、帝国主義的な海外膨張政策に共鳴、炭鉱獲得など資金面で活躍。22年大隈重信外相襲撃事件に関係して投獄され、また伊藤博文暗殺を企てたが逆に説伏された。のちに伊藤、山県有朋、桂太郎ら長州閥と親交を結ぶ。日露戦争中、桂の依頼で渡米、公債募集で活躍。43年韓国併合では韓国と日本の橋渡しをし、南満州鉄道(満鉄)創設、日本興業銀行や台湾銀行の設立など内外諸問題の裏面で暗躍した。官途に就かず浪人を以て任じた明治政財界のフィクサー

没年月日
昭和10年7月19日

家族
長男=夢野 久作(作家)

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20世紀日本人名事典 「杉山茂丸」の解説

杉山 茂丸
スギヤマ シゲマル

明治〜昭和期の政治家



生年
元治1年8月15日(1864年)

没年
昭和10(1935)年7月19日

出生地
筑前国(福岡県福岡市)

経歴
13歳の時ルソーの民約論を読み、明治13年上京、自由民権運動に参加。22歳の時、玄洋社の頭山満を知り、帝国主義的な海外膨張政策に共鳴、炭鉱獲得など資金面で活躍。22年大隈重信外相襲撃事件に関係して投獄され、また伊藤博文暗殺を企てたが逆に説伏された。のちに伊藤、山県有朋、桂太郎ら長州閥と親交を結ぶ。日露戦争中、桂の依頼で渡米、公債募集で活躍。43年韓国併合では韓国と日本の橋渡しをし、南満州鉄道(満鉄)創設、日本興業銀行や台湾銀行の設立など内外諸問題の裏面で暗躍した。官途に就かず浪人を以て任じた明治政財界のフィクサー。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「杉山茂丸」の解説

杉山茂丸 すぎやま-しげまる

1864-1935 明治-昭和時代前期の国家主義者
元治(げんじ)元年8月15日生まれ。夢野久作の父。玄洋社の頭山満(とうやま-みつる)と親交をむすぶ。つねに政界首脳と接触をたもち,その黒幕として活躍。南満州鉄道創設,韓国併合などにもかかわった。昭和10年7月19日死去。72歳。筑前(ちくぜん)(福岡県)出身。号は其日庵(そのひあん)。著作に「百魔」など。

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367日誕生日大事典 「杉山茂丸」の解説

杉山 茂丸 (すぎやま しげまる)

生年月日:1864年8月15日
明治時代-昭和時代の浪人
1935年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の杉山茂丸の言及

【浄瑠璃素人講釈】より

…義太夫節の芸論書。杉山茂丸(其日庵)著。1926年刊。…

※「杉山茂丸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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