条痕(読み)ジョウコン

デジタル大辞泉 「条痕」の意味・読み・例文・類語

じょう‐こん〔デウ‐〕【条痕】

筋目となってついた跡。
白色素焼き磁器鉱物をすりつけて生じさせた筋。その上につく鉱物の微粉の色によって鉱物の鑑定を行う。
銃砲から発射された弾丸に残る銃身内部の旋条の跡。銃によって異なる。

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精選版 日本国語大辞典 「条痕」の意味・読み・例文・類語

じょう‐こんデウ‥【条痕】

  1. 〘 名詞 〙
  2. すじめ。
  3. 発射された弾丸がその銃砲の腔線によって弾体につけられたすじ。
  4. 素焼の磁器に鉱物をこすりつけたときに生じるすじ。〔鉱物字彙(1890)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「条痕」の意味・わかりやすい解説

条痕(銃)
じょうこん

ライフル銃拳銃(けんじゅう)から発射された弾丸の胴部に刻まれるライフリングrifling(腔綫(こうせん))の跡。ライフリングは、同一のライフリングマシンのカッターで刻んだ場合でも、ごく微小な刃こぼれや減りによって、まったく同一の条綫をもつことはない。したがって、発射された弾頭部を比較顕微鏡などで検査すれば、どの銃から発射されたかを知ることができる。このため条痕は「銃器指紋」ともいう。

[小橋良夫]


条痕(色)
じょうこん
streak

条痕板(白い素焼きの板)上にこすりつけた際に粉末化された固体物質が与える色。無色も色の一つと理解するため、条痕色とはいわない。しばしば類似鉱物の識別に役にたつことがある。条痕板より高い硬度の鉱物については、粉末の色をもってこれに代用させるが、このような硬度の高い鉱物の条痕は無色か白である。

加藤 昭]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「条痕」の意味・わかりやすい解説

条痕
じょうこん
streak

鉱物を粉末にしたときの色。条痕色ともいう。金属鉱物では粉末にすると塊の色と異なり,鉱物によって一般に一定であるので,条痕色はしばしば金属鉱物の鑑定に用いられる。条痕色は,普通素焼の磁器からつくられた条痕板に,鉱物をこすりつけて得られる。金属鉱物の色とその条痕色の最も顕著に異なる例は赤鉄鉱で,赤鉄鉱は一見,黒ないし鋼灰色であるが,条痕色は深紅である。赤鉄鉱の別名 blood stoneの名はこの条痕色に由来する。

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岩石学辞典 「条痕」の解説

条痕

[Reid : 1880, Charlesworth : 1957].⇒流動構造

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世界大百科事典(旧版)内の条痕の言及

【条痕色】より

…条痕ともいう。鉱物を粉末にした場合に呈する色彩。…

※「条痕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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