室町~南北朝時代の真言宗の僧。東寺(教王護国寺)観智(かんち)院の開基。初め弘基(こうき)と称した。姓は源氏。下野(しもつけ)国(栃木県)あるいは但馬(たじま)国(兵庫県)出身とされる。幼時、高野山(こうやさん)で出家、東寺で真言宗を学び、1348年(正平3・貞和4)東寺勧学会の学頭、1358年(正平13・延文3)法印(ほういん)、翌1359年に大僧都(だいそうず)となる。学識は深く、教学の整頓(せいとん)、法流血脈(けちみゃく)の確定を行い、『東宝記(とうぼうき)』を著して東寺の歴史を明白にし、また外に向かっては禅宗を批判するなど、空海の真髄を得たと評されるほどであった。著作は、事相教相(じそうきょうそう)、史録にわたり膨大な数で、仏教学、歴史学の貴重な資料として観智院金剛蔵(こんごうぞう)に伝えられている。師の頼宝(らいほう)(1279―1330)、弟子の賢宝(げんぽう)(1333―1398)とともに、東寺の三宝といわれる。
[平井宥慶 2017年7月19日]
『東宝記刊行会編『国宝東宝記原本影印』全2冊(1982・東京美術)』
(津田眞一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
…それにもとづいて21(あるいは15)の塔頭が建立されるが,観智院はその一つである。当院初代の杲宝(ごうほう)は,東寺最高の学僧で,南都北嶺その他から多数の聖教類を収集し,東寺教学の基礎を築いた。現在,観智院金剛蔵聖教と呼ばれているのはそれで,量質ともに日本の聖教のうちで最高のものの一つである。…
…東寺学衆杲宝(ごうほう)の編纂した東寺の歴史。仏宝,法宝,僧宝の3編8巻にわけ,東寺の歴史,堂塔,仏像,法具,聖教,法会,僧職について,文書・記録等を豊富に引用しつつ明らかにする。…
※「杲宝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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