道床(読み)どうしょう

日本大百科全書(ニッポニカ)「道床」の解説

道床
どうしょう

枕木(まくらぎ)と路盤の間にある軌道の構造部分。通常、砕石砂利などで構成される。普通道コンクリート道床の別があるが、単に道床という場合には普通道床をさすことが多い。普通道床は、〔1〕枕木を緊密にむらなく保持する、〔2〕枕木に伝わる列車荷重を路盤に広く均等に分散させる、〔3〕突き固めその他の保線作業が容易である、〔4〕軌道構造に多少の弾力性をもたせる、〔5〕軌道の排水をよくし雑草を防ぐ、などの機能がある。

 道床材料の砕石・砂利は、〔1〕材質が硬くて粘りがあり、摩損や風化に強い、〔2〕粒形と粒度が適当で列車の通過によって崩れにくく、突き固めなどの作業が容易なこと、〔3〕どこでも多量に得られ価格が安いこと、などの条件が必要である。硬石を破砕した砕石は、角が多くて荷重の分布効果が優れ、列車の振動加速度に対して崩れにくく、枕木の移動にも抵抗力が大きいので、篩(ふるい)砂利よりも広く用いられている。

 道床は、砕石の間のすきまが大きすぎると沈下に対する抵抗が小さくなるので、異なった粒径の砕石を適当に混合して使用する。しかし、粒度のばらつきの範囲があまり広いと、車輪が通過する振動で大粒と小粒が分離するし、最大粒径が大きければレール面を精密に整正するのが困難になり作業能率が低下する。そこで国鉄(現JR)では粒度分布の基準を表によって定めている。また、同種の岩石でも物理的性質にはかなりの差があるので、各種の試験を行って基準値を設定して選別している。

 基本的な道床断面で、道床の肩幅は道床横抵抗力の大きさに、また道床の厚さは列車荷重と速度路盤支持力に直結する。これらは枕木の種別や配置本数によって左右されるが、その最小値も表に定められている。

 コンクリート道床は長大トンネルや地下鉄道などに使われてきているが、最近はPSコンクリート(長さ5メートル、幅2.3メートル、厚さ16~20センチメートル)のブロックを高架構造の路盤の上に敷き、これに弾性のある締結装置を介してレールを締結するスラブ軌道が、東北・上越新幹線や湖西線の大部分に使用されている。コンクリート道床・スラブ軌道は建設費が普通道床軌道よりも高いが、保守に手がかからず、耐用年数も長い。しかし、車両走行による騒音・振動の影響は普通道床軌道よりも大きいため、防音・防振についての付帯設備を考慮する必要がある。

[近藤明生]

『宮本俊光・渡辺偕年編『線路――軌道の設計・管理』(1980・山海堂)』『渡辺勇作著『土木施工法講座16 鉄道保線施工法』(1978・山海堂)』『菅原操編『図解鉄道保線・防災用語事典』(1980・山海堂)』

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精選版 日本国語大辞典「道床」の解説

どう‐しょう ダウシャウ【道床】

〘名〙 鉄道線路の軌道のうち、枕木が受ける車両の荷重を路盤上に均一に分散させるための部分。路盤上に砕石または砂利を敷きつめたり、コンクリートで固めたりしてつくられる。〔工学字彙(1886)〕

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デジタル大辞泉「道床」の解説

どう‐しょう〔ダウシヤウ〕【道床】

鉄道線路の路盤と枕木との間の層。砂利・砕石やコンクリートが敷かれ、列車荷重を路盤に広く分散させ、軌道に弾性を与えるなどの役をする。

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世界大百科事典内の道床の言及

【鉄道】より

…【大沢 伸男】
【線路track,railway line】
 線路とは,列車または車両を走らせるための通路の総称であり,軌道とこれを支持するために必要な路盤,構造物,電気設備,諸設備を包含している地帯をいうが,狭義には軌道と路盤を線路と称している(図1)。軌道は列車荷重を直接支え,その力を路盤に均等に伝達する役目をしており,一般にレールとその付属品,まくら木および道床で構成されている。路盤は天然地盤そのままか,築堤,切取りあるいは橋などの構造物である。…

※「道床」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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