中国南部、広西チワン族自治区中部の地級市。5市轄区、3県、2自治県を管轄する(2016年時点)。人口377万9000(2014)。珠江(しゅこう)水系支流の柳江北岸、湘桂(しょうけい)線(衡陽(こうよう)―憑祥(ひょうしょう))、黔桂(けんけい)線(貴陽(きよう)―柳州)、焦柳線(焦作(しょうさく)―柳州)の3鉄道の分岐点に位置する。柳南(りゅうなん)城際鉄道(柳州―南寧(なんねい))、湘桂高速鉄道(衡陽―南寧)も通じ、市街近郊には1995年開港の柳州白蓮空港がある。自治区内の水陸交通の要地であるばかりでなく、自治区内第一の工業都市で、自治区の工業生産額の5分の1を占める(2015)。なかでも自動車、鉄鋼、機械の生産額は3313億元(約6兆円)に達する(2015)。このほかにも、冶金、化学、セメント、繊維、医薬品、食品など多種の工業が発達している。また付近で生産される柳杉とよばれる杉材は、自治区木材生産の2分の1を占める。ほかに柑橘(かんきつ)類、桐油(きりゆ)、茶油(椿油(つばきあぶら))、皮革などの集散地でもある。
漢代から開け、唐代には文人柳宗元(りゅうそうげん)が刺史として赴任し、死を迎えるまでの4年間に柳州の風光を多くの詩文に表した。市内には、柳侯祠(し)を中心とした柳侯公園があり市民の憩いの場となっている。
[青木千枝子・河野通博・編集部 2017年8月21日]
中国南部,広西チワン(壮)族自治区の中部東寄り,西江の支流である柳江沿岸,黔桂(柳州~貴陽)・湘桂(衡陽~友誼関)鉄道の分岐点にある自治区最大の工業都市。人口122万(2000)。柳江県と柳城県を管轄する。古来,少数民族の居住地であったが,漢代に潭中県が置かれ,隋代に馬平県と改められ,唐代以後は柳州,柳州路,柳州府の治所が置かれた。1949年柳江県の市街区を分離して市制を敷いた。古くより柳江水運の要衝で,自治区北部,貴州省南部の良質の木材,桐油,油茶の集散地として繁栄した。鉄鋼,機械,木材加工,セメント,製紙などの工業が発達している。唐代の柳宗元が柳州の刺史となったこともあり,柳侯祠(現在の建物は1729年の重建),思柳軒など柳宗元を記念する史跡が多い。なお〈生きて蘇州にあり,死して柳州にある〉と俚言にいわれるように,良質の棺材となる柳を産出したことでも有名である。
執筆者:林 和生
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