中国が国家の本質的な利益に直結すると見なす最重要の事柄に用いる表現。脅かされれば武力行使も辞さないとされる。中国政府が2011年に公表した白書は/(1)/国家主権/(2)/国家の安全/(3)/領土/(4)/国家の統一/(5)/中国憲法の定める政治制度と社会の大局の安定/(6)/経済の持続的発展の保障―を核心的利益と定義。中国は台湾、チベットと新疆ウイグル両自治区の問題が核心的利益に関わるとして米国などが干渉しないよう要求してきた。(共同)
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
どんな代償を払っても守らなければならない決心を示すときに使われる中国の外交用語。中国語では「核心利益」と表記する。絶対に妥協することはできない、武力行使も躊躇(ちゅうちょ)しない、などの意味がこめられている。「核心的利益」より弱い表現として「重要利益」と「利益」がある。
中国政府は2011年9月に発表した「中国の平和的発展」と題する白書で、核心的利益について、(1)国家主権、(2)国家の安全、(3)領土保全、(4)国家の統一、(5)国家の政治制度と社会の大局の安定、(6)経済・社会の持続的発展への基本的な保障、に関わるものと定義した。
江沢民(こうたくみん)や胡錦濤(こきんとう)までの中国の指導者は、国際会議などの場でチベットや新疆(しんきょう)の独立問題、ならびに台湾、南シナ海に言及するときによく「核心的利益」という語を使ってきたが、習近平(しゅうきんぺい)政権になってからその適用範囲が拡大され、2013年4月、中国外務省の報道官は記者会見で、中国が領有権を主張する沖縄県石垣市の尖閣諸島(せんかくしょとう)についても初めて「核心的利益」であると主張した。
[矢板明夫]
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