中国山東省西部,梁山県の梁山周辺にあった沼沢。梁山濼(りようざんはく)とも書く。山東丘陵の西縁は南北に細長い地溝をなし,黄河が溢流(いつりゆう)するごとに沼沢地が伸縮をくりかえしていた。古くは大野沢・巨野沢などと呼ばれ,のちには分化して済寧をはさんで北四湖・南四湖などと呼ばれた。梁山泊はその最も北部にあたり,五代のころからこの名で呼ばれていた。この付近は黄河のはんらんで荒廃し人口も減少していたが,中原の中心地や南北交通の要路を扼(やく)する位置にあるところから,反体制勢力の拠点になりやすく,北宋末には宋江がここを拠点として,山東,江蘇,河北にわたる広い地域で反乱をくりかえした。これをモデルにしたのが明代の小説《水滸伝》で,これによって梁山泊は,義賊の巣窟の代名詞になった。現在水面は消失しているが,梁山には宋江にまつわる遺跡が残されている。
執筆者:秋山 元秀
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…《忠義水滸伝》とも標題する。北宋末年,山東省の湖,梁山泊の水辺すなわち水滸に集まった実在の群盗にもとづく物語で,南宋から元にかけて,断片的に講談や演劇でとりあげられていたものを,一つにまとめた。現在最古の版本は,100回から成るが,およそ4部に分かれる。…
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