改訂新版 世界大百科事典 「森川馬谷」の意味・わかりやすい解説
森川馬谷 (もりかわばこく)
生没年:1714-91(正徳4-寛政3)
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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(吉沢英明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
江戸中期の講釈師。初代。本名伝吉。父は江戸の町医森川玄昌。馬場文耕(ぶんこう)に入門。読み物を初・中・後の3段に分け、軍談、御家騒動、世話物などに区別した。また、前座を1人使い、看板やびらの書き方にもくふうを凝らすなど、講談の興行形態の確立に多大の功績があった。学問はあったが、ずぼらで休席が多いため客足が落ち、ついには自ら看板の下に「づるけなし」と張り出し、これがあだ名となった。なお、馬谷の名は4代まであり、2代(生没年未詳)は初代門人馬童が継ぐ。彼は修羅場(ひらば)の上手で、門弟より東流斎馬琴(とうりゅうさいばきん)が出た。3代(生没年未詳)は2代の実子で通称辰造。4代(1826―88)は東流斎馬琴の門人琴梅(きんばい)が継ぐ。
[延広真治]
…当初の大道での辻講釈ではなく,講釈場における話芸としての講釈の完成とともに幾多の名人が出現した。森川馬谷(ばこく)は読み物を初・中・後の3席に分け,修羅場(軍談),評定物(お家騒動物),世話物と区別し,前座を使った。これが,のちの前座・中座読(なかざよみ)・後座読(ござよみ)(真打ち)の順位の基となった。…
※「森川馬谷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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