デジタル大辞泉
「欠米」の意味・読み・例文・類語
かん‐まい【▽欠米】
《「かけまい」の音変化》近世、年貢米の輸送中に生じる欠損米を補うための付加米。また、村で保管中の年貢米に生じた減損分の補充米。
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かん‐まい【欠米】
- 〘 名詞 〙 年貢米や商い米を輸送する際に生じる欠損米を補充するための付加米。江戸時代、欠米は一石につき三升と公定された。また、村々で保管中の年貢米の減損分に対する弁償米も欠米といった。〔運歩色葉(1548)〕
- [初出の実例]「米を久うあづかりなどして筭用の時にことの外干米(カンマイ)を立ることあり」(出典:玉塵抄(1563)二五)
欠米の補助注記
年貢米などの輸送などによって生じた欠損分をいうとする説がある。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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欠米(かんまい)
かんまい
「かけまい」ともいう。(1)不足または損耗した米。(2)江戸時代、年貢廻米(ねんぐかいまい)の際、潮風に当たって更米(ふけまい)や沢手米(さわてまい)などとなって欠け減りが生じ、蔵納めのときに各俵の量目が不足した場合、その不足分を補うために積み廻(まわ)した米。初めは欠け減りより多くの欠米を積み廻したが、江戸中期からは1石につき欠米3升の割合で積み廻した。廻米を蔵納めするとき、米の品質や量目を検査するが、そのとき1俵の量目が不足していた場合は、欠米のうちより各俵に差米(さしまい)をして規定の量目とした。差米をしてもなお残った米は上乗(うわのり)(積み荷の管理責任者)に返され、販売された。その勘定は、蔵役所と支配の代官所へ差し出され、名主のもとへも伝えられた。また江戸中期以降になると、その勘定が板札に書かれ、年貢掛札同様に名主の門口に掛けられる場合もあった。
[川鍋定男]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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欠米 (かんまい)
〈かけまい〉ともいう。年貢米のうち,不足したり損耗した米やもみのこと。転じて,江戸時代には年貢米を輸送する途中で湿気や虫害によって生じた減損分を弁済し補充するために,あらかじめ徴収した付加米のことを指した。幕領では,年貢米1石につき3升を欠米として取り立て,年貢米といっしょに回送し,幕府蔵へ納入するさいに不足分を清算し,残った分があれば切手で勘定する。
執筆者:大口 勇次郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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欠米
かんまい
合米 (あわせまい) ともいう。江戸時代の一種の付加税。本来は郷倉に保管中の年貢米の減損分を弁済するものであったが,次第に年貢米回漕途中の目減りを補充するものとして,あらかじめ徴収するようになった。享保年間 (1716~36) には,1石につき3升が定法とされた。 (→口米・口永〈くちまいくちえい〉)
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の欠米の言及
【欠米】より
…転じて,江戸時代には年貢米を輸送する途中で湿気や虫害によって生じた減損分を弁済し補充するために,あらかじめ徴収した付加米のことを指した。幕領では,年貢米1石につき3升を欠米として取り立て,年貢米といっしょに回送し,幕府蔵へ納入するさいに不足分を清算し,残った分があれば切手で勘定している。【大口 勇次郎】。…
※「欠米」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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