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死生学 しせいがく

百科事典マイペディアの解説

死生学【しせいがく】

死ぬことや死別について,哲学,医学,心理学,文学,宗教などの立場から研究する学問。英語でサナトロジーthanatologyという。 1950年〜1960年代に社会科学のさまざまな分野から,死にまつわる心理学の研究が進み,死と向き合うためのカウンセリング精神療法が発展した。死生学にもっとも大きな影響を与えたのは,スイス出身の精神科医であるロスE.K.Ross著《死と死ぬことについて》とされている。死生学では,末期患者は死を受け入れるまでに,否定,怒り,予想,鬱(うつ)状態などの段階があり,愛情に満ちた適切なカウンセリングを受けることで,最終的に死が近づくことを認めることができる,と考える。 日本では上智大学のアルフォンス・デーケン教授が〈老いも死も,生命体の必然的な自然現象〉と説き,死への準備教育に力を入れている。海外では,米国コロンビア大学の死生学財団で,死の意味や生命の質について学際的に研究しているほか,欧米の中学・高校などでも死生学に関連した教育を行っている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

死生学

死との向き合い方を学ぶことで、生命の価値やより良く生きることの意味を追究する学問として提唱された。身体や精神、価値観や宗教観まで含めた人間の存在の根源「スピリチュアリティ」に焦点を当て、いかに生きるか問いかける。従来の医療では重視されにくかった終末期患者の支援や「生命の質」を向上させる視点からも注目を集めている。

(2015-03-28 朝日新聞 夕刊 1社会)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

死生学
しせいがく

「死」について早くから教育し、心構えができていれば、より人間らしい終末が迎えられるとする学問。死は医療の分野でも日常生活のなかでももっとも忌まわしいものとして考えられてきたが、この考え方が、たとえば濃厚治療などの弊害をうみ、人間の尊厳に満ちた死を妨げているのではないか、という観点から提唱された。上智大学教授(哲学)のアルフォンス・デーケンらが1960年ころから意欲的に先導、理解する人たちもふえている。終末期医療のあり方、尊厳死安楽死といった概念もこの学問の範囲内にあると考えられる。オランダでは2001年に、国家レベルでは世界で最初の安楽死を合法化する法律が成立し、死生学にも新しい局面が広がることになる。
『山本俊一著『死生学のすすめ』(1992・医学書院) ▽山本俊一著『死生学――他者の死と自己の死』(1996・医学書院) ▽波多江伸子著『カーテンコールが終るまで――やさしい死生学』(1995・海鳥社) ▽竹田純郎編『〈死生学〉入門』(1997・ナカニシヤ出版) ▽河野友信編『臨床死生学事典』(2000・日本評論社) ▽アルフォンス・デーケン著『生と死の教育』(2001・岩波書店) ▽アルフォンス・デーケン著『よく生きよく笑いよき死と出会う』(2003・新潮社) ▽難波紘二著『覚悟としての死生学』(文春新書)』

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