殿試(読み)デンシ

デジタル大辞泉 「殿試」の意味・読み・例文・類語

でん‐し【殿試】

中国科挙制度で、郷試会試に合格した者に天子みずから殿中で行った最後試験代に始まり、及第者を進士とよんだ。廷試

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精選版 日本国語大辞典 「殿試」の意味・読み・例文・類語

でん‐し【殿試】

  1. 〘 名詞 〙 中国、科挙の最終試験。会試及第者を殿中に招き天子臨御のもとに行なったもの。その及第者を進士、首席状元という。宋代に始まる。
    1. [初出の実例]「太祖のこの年より殿試にも甲乙を次第して」(出典:制度通(1724)六)
    2. [その他の文献]〔明史・選挙史〕

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普及版 字通 「殿試」の読み・字形・画数・意味

【殿試】でんし

天子が殿中で行う進士等の試験。〔余叢考、二十八、殿試〕武后、天授元年二、貢擧の人を洛陽に策問し、數日にして方(はじ)めて畢(をは)る。此れ殿試の始めなり。然れども其の制、後世と異なれり。~是の殿試はち考功の試なり。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「殿試」の解説

殿試(でんし)

北宋太祖(趙匡胤(ちょうきょういん))が創設した科挙最終段階最高試験で,明・清にも行われた。上位合格者はただちに叙官され,高官が約束されたので,君主権を強化し,従来吏部(りぶ)権限を減じ独裁制を促した。

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旺文社世界史事典 三訂版 「殿試」の解説

殿試
でんし

宋の太祖趙匡胤 (ちようきよういん) が創設した科挙の最終面接試験
天子が臨席して行われ,上位合格者は高官を約束され,「天子の門下生」として忠誠をつくすこととなった。明・清にも継承された。

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世界大百科事典(旧版)内の殿試の言及

【科挙】より

…ただし宋以後の進士試験には,詩賦,策論の上に経書の意義を問う経義が加わったので,実質的には前代の秀才,明経の両科をも兼ねたものとなった。唐代には地方の州から推薦された郷貢の進士と,国立学校の生徒とが,中央の礼部で行う貢挙を受けて通過すれば,進士及第という資格を与えられたが,宋ではさらにその上に天子がみずから行う殿試を加え,ここに州試,礼部試,殿試の3段階制が成立した。また科挙を3年に1回挙行する制度も宋代に始まって後世に踏襲された。…

【進士】より

…銓試は身言書判といって,容貌,言語,書跡および判決文の作成力を試すが,ここに六朝時代の貴族制度のなごりが見られ,たとえば韓愈のような背景を持たない俊才は,しばしばこの関門でしめ出された。このような弊害をなくすため,宋の太祖は貢挙の後に,天子みずから宮中で行う殿試を加え,天子の定めた序列によって進士を合格させた。これによって吏部の銓試は,有名無実となり,進士の任官,官位昇進の遅速は,もっぱら殿試成績の序列に左右されることとなった。…

※「殿試」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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