水ガラス(読み)みずがらす(英語表記)water glass

翻訳|water glass

日本大百科全書(ニッポニカ) 「水ガラス」の意味・わかりやすい解説

水ガラス
みずがらす
water glass

ケイ酸アルカリガラスの濃厚水溶液をこのようにいっているが、固体そのものを無水水ガラスあるいは単に水ガラスということもある。アルカリとしては一般に成分として酸化ナトリウムNa2O(場合によっては酸化カリウムK2O)を含み、組成はNa2O・nSiO2(n=2~4)のほか、少量の酸化鉄Fe2O3などが含まれており、水分は10~30%。ケイ酸(ケイ砂)SiO2nH2Oと無水炭酸ナトリウムソーダ灰)Na2CO3の混合物を1300~1500℃で融解し、できた固体を低圧蒸気缶で処理すると得られる。純粋なものは無色の水飴(みずあめ)状の液体で粘性が高い。空気中では二酸化炭素を吸収してゲル状ケイ酸が析出するので、強い接着力を示す。また水ガラスから水分を蒸発させるか、無水の水ガラスと水少量とを加熱すると、和水水ガラスができる。接着剤、接合剤耐火セメントなどの原料となる。またアルカリ性であることから洗剤、洗浄剤などにも用いられる。

[中原勝儼]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水ガラス」の意味・わかりやすい解説

水ガラス
みずガラス
water glass

石英砂 (酸化ケイ素) とソーダ灰 (または硫酸ソーダと炭との混合物) とを融解したのち,水で抽出したもの。平均3~5molの無水ケイ酸に,1molの酸化ナトリウムを含む組成をもち,主成分はケイ酸ナトリウム Na2SiO3 である。通常濃厚な水溶液の形で市販されている。特に安定なものではなく,次第に分解してケイ酸を析出し,また凝結を起し,ゲル状に固まる。粘着剤として人造石,ガラス,陶器などの接着,耐火塗料,製紙などに用いられる。吸湿剤のシリカゲルの原料ともなる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報