合成樹脂塗料(読み)ごうせいじゅしとりょう(その他表記)synthetic coating material

百科事典マイペディア 「合成樹脂塗料」の意味・わかりやすい解説

合成樹脂塗料【ごうせいじゅしとりょう】

塗膜形成要素としてフェノール樹脂尿素樹脂メラミン樹脂ビニル樹脂ケイ素樹脂等の合成樹脂を用いた塗料。乾燥形式から溶剤蒸発型,酸化重合型,加熱縮合硬化型に分けられ,ワニスエナメルペイント,水に分散したエマルジョン塗料水性塗料),可塑剤に分散したプラスチゾルなどの状態で広く用いられる。
→関連項目ラッカー

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「合成樹脂塗料」の意味・わかりやすい解説

合成樹脂塗料
ごうせいじゅしとりょう
synthetic coating material

プラスチックのうちで不飽和ポリエステルアルキド樹脂ポリ酢酸ビニルポリ塩化ビニルエポキシ樹脂ウレタン樹脂アミノ樹脂などを塗膜形成成分(展色料(てんしきりょう))とした塗料で、それぞれの樹脂の名称に塗料という名をつけて市販されている。分子量はあまり大きくはない。

 この塗料の一般的な製造法は、有機溶媒中またエマルジョン塗料では乳化系で合成樹脂を製造し、それらに必要に応じて添加物を加える透明塗料の製造を除けば、一般には顔料とプラスチックからつくった展色料とをよく分散させてつくる。以前は練りロールやボールミルを使用したが、現在では効率のよいスピードラインミルやサンドグラインドミルが多用されている。

 新しい合成樹脂塗料として粉体塗料がある。エポキシ樹脂、アクリル樹脂ポリエステル樹脂などの固形樹脂に硬化剤、顔料、添加剤を混合し、さらに冷却粉砕して粉体塗料としている。これは公害対策塗料で、塗料粒子を負に帯電させ、正荷電の被塗装体に静電気吸引力で付着させて、樹脂の溶融点以上の温度で溶融して焼き付ける静電粉体塗装と、塗料の微粉末を渦巻状に浮遊させ、その中に加熱した金属被塗装体を差し込んで、金属の上に焼き付ける渦動(かどう)粉体塗装がある。

[垣内 弘]

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化学辞典 第2版 「合成樹脂塗料」の解説

合成樹脂塗料
ゴウセイジュシトリョウ
synthetic resin coating

塗膜形成の主成分に合成樹脂を用いた塗料.不飽和ポリエステルのような液状高分子を用いる場合と,アルキド樹脂酢酸ビニル樹脂フェノール樹脂エポキシ樹脂アクリル酸樹脂ウレタン樹脂など固形高分子を溶剤に溶かして(または分散させて)使用する場合とがある.膜形成能と膜強度が十分な高分子では,単に溶剤を除去するだけで塗膜を形成できる.一方,官能基をもつ熱(または光)硬化性オリゴマーを用いると,塗布した後に架橋反応を進行させることで安定な塗膜が得られる.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「合成樹脂塗料」の意味・わかりやすい解説

合成樹脂塗料
ごうせいじゅしとりょう
synthetic resin paint

合成樹脂を主成分とした塗料。フェノール,尿素,メラミン,アルキド,ビニル,アクリルなどの樹脂が用いられる。これらの樹脂をアルコール,ベンゼンなど有機溶剤に溶かしてつくる。乾燥が早く,塗膜は日光や風雨によく耐え,酸,アルカリなどの薬品にも侵されることが少く,すぐれた性質をもつため,工業用,家庭用に広く用いられている。種類はきわめて多いが,特に焼付け用の尿素・アルキド樹脂塗料は,100~140℃で,30分~2時間焼付けると,淡色で,耐熱,硬質のじょうぶな密着性の強い塗膜となるので,自動車,自転車,洗濯器,冷蔵庫,ミシンなどの塗装用エナメルとして使われる。最近はより堅牢な塗膜とするため,尿素の代りにメラミンが使われている。

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リフォーム用語集 「合成樹脂塗料」の解説

合成樹脂塗料

合成樹脂に溶剤または乾性油を加え加熱し、さらに溶剤を加えた塗料のことを言う。合成樹脂塗料のタイプは、溶剤を加えない「無溶剤型」、溶剤を加えた「溶剤型」、乳液状の「エマルション型」などがある。合成樹脂塗料は、「エポキシ樹脂」、「アルキド樹脂」、「塩化ビニール樹脂」、「アクリル樹脂」、「酢酸ビニール樹脂」、「フェノール樹脂」など、様々なものが用いられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「合成樹脂塗料」の意味・わかりやすい解説

合成樹脂塗料 (ごうせいじゅしとりょう)

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栄養・生化学辞典 「合成樹脂塗料」の解説

合成樹脂塗料

 合成樹脂の小胞に顔料などを分散させた塗料.塗ると,塗られたものの表面に合成樹脂の膜が形成される.

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世界大百科事典(旧版)内の合成樹脂塗料の言及

【塗料】より


[塗料製造工程]
 塗料製造工程は,(1)展色剤を合成する工程,(2)顔料を展色剤中に分散する工程,(3)添加剤,後添加展色剤,粘度調整溶剤などを混合,かくはん(攪拌)する工程に大別される。
[合成樹脂塗料]
 合成樹脂塗料名を表4に示したが,塗料の性質は主として使用される樹脂により決定される。現在知られている樹脂は塗料用に種々変性されて使われるので,樹脂名を冠した塗料の名称がつけられている。…

※「合成樹脂塗料」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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