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水田址 すいでんし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

水田址
すいでんし

水田の遺跡。日本古代農業の基本は水稲耕作であるが,その生産の場である水田の遺構は 1943年の静岡県登呂遺跡の発見以来しだいに類例が増加し,近年では青森県垂柳遺跡を北限として全国各地で知られるようになった。福岡県板付遺跡では,弥生時代前期の水田址の下から縄文時代最末期の水田遺構も発見された。弥生時代前・中期の水田は,岡山県津島遺跡のように微高地間の小さな谷間を利用した場合もあるが,概して,板付遺跡や滋賀県大中の湖南遺跡のように集落近くの広い湿地帯を利用している。弥生時代後期になると,集落がさまざまな立地条件のところに拡散していくにつれ,水田もいろいろな地形のところに営まれたようである。水田が効果的に経営されるためには十分な灌漑施設が必要であるが,群馬県熊野堂遺跡で台地上に営まれた水田址が発見されているところからみると,整備された灌漑施設の存在が推測される。津島遺跡の場合には水田土壌の存在によって水田址が確認されたにすぎないが,その他の遺跡では大小さまざまな畦畔の存在によって,水田址が確認されている。すなわち日本古代の水田は大小の畦畔の構築が必須の要件であり,それは当然のことに水田の湛水とからんでいる。しかし近年の発見例のように,きわめて小面積の水田区画のための畦畔がはたして単に湛水のためだけのものであったかどうかはなお今後の課題である。水田の確認には土壌中のケイ酸質細胞を利用したプラント・オパール分析法などがある。

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