水栽培(読み)みずさいばい(英語表記)hydroponics

翻訳|hydroponics

精選版 日本国語大辞典 「水栽培」の意味・読み・例文・類語

みず‐さいばい みづ‥【水栽培】

〘名〙 植物を水だけ、または培養液で栽培すること。水耕法。〔百万人の科学(1939)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「水栽培」の意味・読み・例文・類語

みず‐さいばい〔みづ‐〕【水栽培】

水耕栽培

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「水栽培」の意味・わかりやすい解説

水栽培
みずさいばい
hydroponics

植物をその生育に必要な養分を溶かした水溶液だけで栽培すること。水耕栽培ともいう。水溶液は培養液ともよばれ、その栽培物に適した成分比に配合され、野菜や花卉(かき)の営利栽培が行われている。

 狭義では、とくに球根類草花類を中心に家庭で行われる水栽培のことをいう。養分を蓄えている球根類は時期になると花芽を形成し、水だけ供給すれば開花する。したがって大球で花芽のできたものを用い、環境条件さえ配慮すれば確実に花を咲かせることができる。観葉植物や草花のなかには、水挿しといって茎葉を水に浸(つ)けておくだけで根を出すものもあり、手軽に栽培することができる。水栽培に適した園芸品種は、球根類ではヒヤシンスクロッカス、ニホンスイセン、観葉類ではコリウスポトスセントポーリア、トラデスカンティア類などである。

[堀 保男]

ヒヤシンスの水栽培

11月中旬ごろ市販の大球(周囲15センチメートル以上)を求め、水栽培用容器か、球根の根部が収まる広口瓶の中に、根部がすこし水に浸る程度に置く。15日内外で発根するので、その間、光が入らないように紙か布で囲うか、やや暗い所に置く。根が伸び出したら根部と水の間をすこしあけて、根に酸素を供給できるようにする。水はときどき取り替え、また根を乾かさないように補給する。容器を直接日光に当てると水温が上がり、球根が乾燥して障害をおこす。よい花を咲かせるには30~40日間7~10℃の低温で管理する。なお、花芽が出たからといって日照の強い高温の所に置くと、花茎は逆に萎縮(いしゅく)して開花しないことが多い。日常の温度管理は12℃内外である。

[堀 保男]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「水栽培」の意味・わかりやすい解説

水栽培【みずさいばい】

ヒアシンスやクロッカスなどを土を用いずに水だけで栽培する方法で,専用のグラスがある。十分に成熟した大きな球根を選ぶことが重要。水中に根を張るので球根の下から水の部分は初め黒い紙でおおっておき,水は腐らぬよう4〜5日に1回は取り替える。
→関連項目水耕法

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

改訂新版 世界大百科事典 「水栽培」の意味・わかりやすい解説

水栽培 (みずさいばい)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水栽培」の意味・わかりやすい解説

水栽培
みずさいばい

水耕法」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の水栽培の言及

【水耕】より

…無土壌栽培soilless culture,養液栽培solution culture,ハイドロポニックスともいう。クロッカスやヒアシンスなど球根植物では,球根自体に養分があるので水だけで栽培でき,この場合は水栽培という。水耕には,根を直接水溶液中に浸漬(しんし)する方式(狭義の水耕water culture)と砂,礫(れき),バーミキュライト,おがくずなどの化学的に不活性な資材に根を張らせる方式(砂耕礫耕など)がある。…

※「水栽培」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android