水金(読み)ミズキン

デジタル大辞泉 「水金」の意味・読み・例文・類語

みず‐きん〔みづ‐〕【水金】

陶磁器上絵の具の一。塩化金硫黄テレビン油などを加えた濃厚液。金彩色に用いる。金液。すいきん
湯水のように惜しげなく使う金銭
濡事師は―は遣ひうちのこと」〈滑・八笑人・三〉
賄賂わいろ。〈和英語林集成

すい‐きん【水金】

みずきん(水金)1

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「水金」の意味・読み・例文・類語

みず‐きんみづ‥【水金】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 湯水のように使う金。惜しげもなく使う金。みずがね。
    1. [初出の実例]「いづれ濡事師は、水金(ミヅキン)は遣ひうちのこと」(出典滑稽本・八笑人(1820‐49)三)
  3. 便宜をはかってもらうために贈る物。みずがね。賄賂。〔和英語林集成(初版)(1867)〕
    1. [初出の実例]「此奴若ければ洲崎か吉原へはめれば水金(ミヅキン)引いて手取り二百か三百に売れるのだが」(出典:落語出刃包丁(1898)〈四代目柳亭左楽〉)
  4. 陶磁器に用いる上絵の具の一種。塩化金、硫黄、テレビン油等を用いて作る粘りけある油状物。塗って摂氏七〇〇~八〇〇度で焼くと、表面に金の膜ができる。金液。

みず‐がねみづ‥【水金】

  1. 〘 名詞 〙
  2. みずおがね(水緒金)
    1. [初出の実例]「鐙をおさへ申次第、主人ならば、鐙の水金のもとを右の手にて取り」(出典:今川大双紙(15C前)馬に付て式法之事)
  3. みずきん(水金)
    1. [初出の実例]「色に迷ふて密通財(ミヅガネ)を使ふは凡世間の、後生(わかうど)に多かれば」(出典:読本近世説美少年録(1829‐32)三)

すい‐きん【水金】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 土、海砂流水などの中から採取した金。
    1. [初出の実例]「土中・井中・海砂中・流水中より出でたる者を水金と名づく。其の色淡黄なり」(出典:山相秘録(1827頃)上)
  3. 陶磁器の上絵に用いる金色塗料。金液(きんえき)。→みずきん(水金)

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