永久革命論(読み)エイキュウカクメイロン

デジタル大辞泉 「永久革命論」の意味・読み・例文・類語

えいきゅうかくめい‐ろん〔エイキウカクメイ‐〕【永久革命論】

永続革命論

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精選版 日本国語大辞典 「永久革命論」の意味・読み・例文・類語

えいきゅうかくめい‐ろんエイキウ‥【永久革命論】

  1. 〘 名詞 〙 ロシア革命トロツキーが提起した革命理論。ロシアを含む後進国ブルジョア革命は必然的にプロレタリア革命へと移行せざるを得ないとして革命の永続性を強調すると共に、社会主義革命も継続的な内部闘争により、複雑な相反作用のなかで発展するとした。また、一国の孤立したプロレタリア独裁はその内部に矛盾を生み出すことを避けられないとして、スターリンの考えと対立した。永続革命論。

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改訂新版 世界大百科事典 「永久革命論」の意味・わかりやすい解説

永久革命論 (えいきゅうかくめいろん)

〈永久革命〉という言葉自体はマルクスの1850年3月の共産主義者同盟へのよびかけに由来するが,一般には1905-06年に定式化されたトロツキーの革命論を永久革命論または永続革命論という。英語ではpermanent revolution。彼によれば,後進国ロシアにおいては,都市ブルジョアジーの弱体と反動性のために,プロレタリアート政権を掌握するのでなければ当面ブルジョア民主主義革命の課題すら達成することができず,しかもこの場合,革命は不可避的にブルジョア民主主義革命の枠を突破して社会主義革命へと進まざるをえない(いわゆる〈一段階革命論〉)という。しかも農民が人口の大多数を占めるロシアのような後進国では,プロレタリア革命の最終的成功は〈世界革命〉,具体的には西欧先進諸国での革命の成否にかかっているとみた。1925-26年のスターリンとの論争においてトロツキーの永久革命論は一国社会主義の主張によって批判された。なお,転義して,ナチス,毛沢東の〈永久革命〉論などともいう。
トロツキズム
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百科事典マイペディア 「永久革命論」の意味・わかりやすい解説

永久革命論【えいきゅうかくめいろん】

永続革命論とも。一国社会主義論に対するもの。1905年トロツキーが唱え始めた。当面するロシア革命はブルジョア革命だが,それはプロレタリアート権力樹立によってしか完遂しえず,必然的に社会主義革命に転化していかざるをえない,と説く。しかもこの転化はロシアの後進性のために国内革命勢力のみの力では保証されず世界革命,具体的には西欧先進諸国における革命が必要である,と主張する。のちスターリンとの論戦を通じて発展途上国・従属国・植民地における革命の一般理論に拡張された。→第四インターナショナルトロツキズム
→関連項目パルブス

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旺文社世界史事典 三訂版 「永久革命論」の解説

永久革命論
えいきゅうかくめいろん
Permanentnaya revolyutsiya (ロシア)

プロレタリアートによる共産主義社会の実現をめざす革命は永続的に遂行される,とする理論。永続革命ともいい,その規模を世界的な広がりで考えるところから,世界革命と合わせて考えられる
マルクス・レーニンもこの言葉を用いたが,特にトロツキーが理論の純化をはかった。彼は,農民の国ロシアでプロレタリアートが社会主義的革命独裁を遂行するには,農民をはじめブルジョワジーとの永続的な内部闘争が不可避であり,先進ヨーロッパにおけるプロレタリアートの政治的解放と援助なしには不可能だとして,世界革命と一体的なものとした。1924年以後,スターリンの一国社会主義論が展開されると,これと真向から対立したが,スターリン体制の確立によりこの理論も排除された。また,農民を重視する毛沢東思想は,人間意識の変革過程の永続性という点から,一種の永続革命論を展開している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「永久革命論」の意味・わかりやすい解説

永久革命論
えいきゅうかくめいろん

永続革命論

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世界大百科事典(旧版)内の永久革命論の言及

【トロツキズム】より

…ロシア革命の指導者の一人トロツキーの思想とそれを実践する運動。思想的には,トロツキズムの柱は永久革命論とソ連国家論の二つからなる。永久革命論は,《総括と展望》(1906)や《永久革命論》(1930)において定式化されている。…

※「永久革命論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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