ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「池田長発」の意味・わかりやすい解説
池田長発
いけだながおき
[没]1879.9.12. 岡山
江戸時代末期の幕臣。筑後守。旗本池田長溥の養子となる。采地は備中井原村 1000石。通称は修理。幼時から才能がすぐれ,小普請組から文久2 (1862) 年,目付,翌年,京都町奉行に昇進。幕府が開市開港の期日を延期するため,同3年海外に使節派遣を決定すると,長発は外国奉行に転じて,この使節の正使となった。同年 11月 28日一行 34人を率いて渡欧し,元治1 (64) 年ナポレオン3世にパリで謁見,同年7月帰任したが (→幕末遣欧使節 ) ,海外を見聞して開国促進の意向を固めた彼は幕府の忌諱に触れ,帰任直後免職。慶応3 (67) 年再び登用され,軍艦奉行となったが,まもなく病のため辞任,可軒と名のって岡山に隠棲した。
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