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請求権 せいきゅうけんAnspruchsrecht

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

請求権
せいきゅうけん
Anspruchsrecht

他人に対して一定行為 (作為または不作為) を要求することのできる権利をいう。私権の作用による分類の一種であり,支配権に対する。請求権と債権とは同じものではない。たとえば,物権から所有物返還請求権が発生するばかりでなく,身分権,たとえば親権から幼児の引渡し請求権などが発生する。

請求権
せいきゅうけん
claim

条約上の用語としては,金銭,財産または救済 (→損害賠償 , 損失補償 ) に対する権利の主張一般をさす。たとえばサンフランシスコ講話条約には「戦争の遂行中に日本国およびその国民がとった行動から生じた連合国およびその国民の請求権」「戦争から生じまたは戦争状態が存在したためにとられた行動から生じた連合国およびその国民に対する請求権」との語句がみえる。また朝鮮,台湾などに対する「すべての権利,権原および請求権」を放棄すると規定する場合の請求権は,当該領域を自己のものであると主張するという意である。 (→阿波丸事件 , 戦後補償 )

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デジタル大辞泉の解説

せいきゅう‐けん〔セイキウ‐〕【請求権】

他人に対し、一定の行為を請求できる権利。物権債権などから生じる。

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世界大百科事典 第2版の解説

せいきゅうけん【請求権】

ある特定の人Aが他の特定の人Bに対してなんらかのこと(作為または不作為)を法的に要求しうる立場にあるとき,AはBに対して請求権をもつという。ドイツ民法は,請求権を〈他人に対して一定の作為または不作為を要求しうる権利〉と定義している(194条1項)。このように定義される請求権とは,ある権利の作用・効力の側面を表している。債権は債権者債務者に対して一定の給付を請求しうる権利であるから,債権は請求権であるといわれる。

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大辞林 第三版の解説

せいきゅうけん【請求権】

〘法〙 特定の人に対して一定の行為を請求することができる権利。主として債権から生ずる。 → 形成権支配権

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

請求権
せいきゅうけん
AnspruchAnspruchsrechtドイツ語

ある人が他の人に対して一定の行為(作為・不作為)を要求する権利。しかし、請求権は、物権、債権、親族権などのような実体的な権利概念ではなく、これから生ずるものとして動的に(すなわち、裁判上主張されるものとして)観念された権利概念である。したがって請求権は、すべて実体的な権利を基礎として生じる。たとえば、実体的な権利としての所有権の侵害があった場合に、それを排除するため所有権に基づく妨害排除請求権が生じ、あるいは売買契約が結ばれると、それに基づいて売買代金請求権や給付請求権が生じるなどである。請求権はまた、客体に対する支配を内容とするところの支配権とも異なり、義務者に対し一定の行為を要求する権利である。したがって、支配権が絶対権とよばれるのに対して、請求権は相対権とよばれる。なお請求権とよばれながら形成権と解されるものとして、売買代金減額請求権(民法563条1項)、建物買取請求権(借地借家法13条)などがある。[淡路剛久]

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