流速計(読み)リュウソクケイ

デジタル大辞泉 「流速計」の意味・読み・例文・類語

りゅうそく‐けい〔リウソク‐〕【流速計】

流体の速度を測定する計器・装置の総称。

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精選版 日本国語大辞典 「流速計」の意味・読み・例文・類語

りゅうそく‐けいリウソク‥【流速計】

  1. 〘 名詞 〙 流体の流れの速さを測定するのに用いる器械。〔電気工学ポケットブック(1928)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「流速計」の意味・わかりやすい解説

流速計
りゅうそくけい

流体(気体、液体蒸気)の流れの速さを測定する計器の総称。測定の原理から次の6種類に大別される。

(1)時間と距離から平均速度を求める方式 流れの中に浮きなどの指標物体を入れてその運動から流速を求めるものと、食塩、放射性物質など検出しやすい物質を一時的に注入して、下流の一定距離の地点まで達する時間を測定するものがある。

(2)動圧を利用する方式 航空機の対気速度、風速などの測定に用いるピトー管が代表的で、測定口を流れの上流に向けて測った圧力と側面に向けて測った圧力との差として動圧を求め、ベルヌーイの定理によって流速を算出する。また、動圧を羽根車を使って検出する流速計も多い。

(3)波動の伝播(でんぱ)を利用する方式 ドップラー効果の応用で、流体中の音波の速度が流れの向きと逆向きとで流速の分だけ異なることを利用した超音波流速計が代表的である。流体中の浮遊物などからの反射光のドップラー効果から流速を測るレーザードップラー流速計も、類似の原理に基づいている。

(4)電磁誘導を利用する方式 水などの導電性流体の流速測定に用いられる。電場、磁場、導体運動の間に成り立つファラデーの電磁誘導の法則によって、流れに直角に設置された磁場と発生電圧から流速を求める。

(5)熱の放散を利用する方式 熱線風速計が代表的で、加熱された物体からの熱の放散が、流速と特定の関係にあることを利用している。

(6)渦の発生など流体の周期運動を利用する方式 カルマン渦を利用した流速計が代表的で、渦発生の周波数が流速に比例する原理により、渦を発生させるための物体と渦検出器を用いて周波数を測定して流速を求める。カルマン渦のほかにも物体と流れの相互作用によっておこる周期現象があり、流速の計測に利用されている。

[三井清人]

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改訂新版 世界大百科事典 「流速計」の意味・わかりやすい解説

流速計 (りゅうそくけい)
current meter

流体の流れの速さを測る計器。風の速さや水の流れの速さを測定する回転式の速さ計や,航空機,船などにとりつけるピトー管などを応用した速さ計がある。回転式速さ計は,腕の先端にカップをつけたものやプロペラをつけたもので,その単位時間当りの回転数を知って流れの速さを測定する。ピトー管は,流れに対して,開口をもった部分の圧力と静圧との差圧から速度を求めるもので,航空機や高速船に対流体速さ計として使用されている。電磁誘導法則を応用した電磁流速計も船の速さ計として用いられている。これは流線形の断面をもつ柱体ブロック(絶縁体)の中に電磁石を埋め込み,交流励振し,電導性のある流体(水)と船との相対速度に応じた誘起電圧を柱体側面に露出した電極で検出する。このほか,流速計としてはレーザーや超音波を用いて,ドップラー効果を応用したもの,熱線の冷却の程度を測って流速を求める方法などが実用化されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「流速計」の意味・わかりやすい解説

流速計
りゅうそくけい
current meter; flowmeter

液体や気体の流速を測定する計器の総称。風速をはかる風速計,管内の流速をはかるタービンメータ,抵抗板メータ,ピトー管,熱線流速計,河川や海水などの流水の速度をはかるカレント・メータなどがある。流水の流速を測定するものとしてはロータやプロペラの回転を利用して測定するものが多い。プロペラの回転数と磁針によって流速と流向をはかるエクマン=メルツ流速計は,弱流計と強流計とがあり,海水の流速測定によく用いられる。海洋観測ではロータを利用したアンデラ社の流速計が一般に用いられている。この流速計はロープなどの係留線につなぐことによって任意の深さの流向,流速だけでなく水温,塩分も同時に測定することができる。しかし数分以下の短周期で変動する流速の測定にはこの流速計は不向きで,電磁流速計や超音波流速計が代りに用いられる。2~3秒以下の周期をもって変動する流速の測定にはドップラー型の流速計などが用いられる。近年は電磁流量計で計測されることが多くなった。河川の流速観測にはプロペラ流速計やピトー管,ベンチュリー管利用などがあり,特殊な場合は洪水用流速計が用いられる。きわめてわずかな流速の測定には,別に微流速計がある。

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百科事典マイペディア 「流速計」の意味・わかりやすい解説

流速計【りゅうそくけい】

流体の流れの速さを測定する計器の総称。風速計も流速計の一種である。プロペラや先端にカップをもつアームの回転数から流速を求める回転式,ピトー管を利用したもの,電磁誘導を利用した電磁流速計,レーザーや超音波のドップラー効果を利用するもの,熱線の温度の降下から流速を求めるものなどがある。
→関連項目河川観測

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化学辞典 第2版 「流速計」の解説

流速計
リュウソクケイ
velocity-type flowmeter

流体の速度を測定する計器.静圧と総圧との差を利用したピトー管,流速と冷却効果の関係を利用して,細い線に電流を流して発熱させ,その温度と電気抵抗の関係を利用した熱線流速計,流速と物体の受ける流体抵抗の関係を利用する流体抵抗式流速計,流速と拡散電流の関係を利用する電極反応流速計などがある.[別用語参照]流量計

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の流速計の言及

【速度計】より

…速さ計ともいう。一般に乗物のように移動する物体上で,それ自体の速さを測るものを指すが,流速計やドップラー効果を利用したドップラー速さ計などを含めることもある。
[回転式]
 自動車や電車などの場合,車輪の円周を既知とすれば,その回転数を測定することによって,速さが得られる。…

※「流速計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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