浦田村(読み)うらたむら

日本歴史地名大系 「浦田村」の解説

浦田村
うらたむら

[現在地名]倉敷市福田町浦田ふくだちよううらだ黒石くろいし八軒屋はちけんや

粒江つぶえ村の西、しお(倉敷川)の右岸に位置し、南は福田村と接する。上浦田・下浦田の二集落があり、上浦田に藤戸合戦の際に敗走した平家の琴捨の藪の伝説地がある。「備陽国誌」によれば弘長年中(一二六一―六四)の創建を伝える高野山真言宗蓮華れんげ院がある。

清田きよた八幡神社の元和元年(一六一五)の上葺再興棟札に村名がみえる。正保郷帳の高三一七石余、枝村として黒石村を記す。「備中誌」によると承応元年(一六五二)より八、九〇年前に四十瀬しじゆうせ村から酒津さかづ川堤に塩除土手を築き、浦田へ堰を付けたという。寛文四年(一六六四)の備前備中古新田帳に「浦田新田黒石共」三五九石余とある。


浦田村
うらたむら

[現在地名]君津市浦田

久留里くるり城下の南に位置し、小櫃おびつ川右岸の上流域から中流域への変換点にあたる。文禄三年(一五九四)の上総国村高帳には「麦田村」(誤記か)とあり、高五七二石。寛文四年(一六六四)の土屋利直領知目録(寛文朱印留)に村名がみえ、久留里藩領。以降の領主の変遷は山本やまもと村と同じ。元禄郷帳では高六三二石余、天保郷帳・旧高旧領取調帳では高八一六石余。


浦田村
うらだむら

[現在地名]立山町浦田

白岩しらいわ川と栃津とちづ川の合流点に近く、古くから開発の進んだ地域。東は寺田極楽寺てらだごくらくじ村、北は新吉島しんきちじま(現舟橋村)水橋みずはし(現富山市)の者が開村したとされる(「郷村名義抄」越中志徴)。伝承によると、中世末期には仏生寺ぶつしようじ(現舟橋村)城主細川曾十郎の支配を受けたが(三州志)、同氏が没落すると当地も荒廃したという。


浦田村
うらだむら

[現在地名]男鹿市脇本浦田わきもとうらだ

男鹿半島の南頸部、寒風かんぷう山の東山麓丘陵の断崖下に位置する。南北に男鹿街道が通り、南は飯森いいのもり村、北は樽沢たるざわ村となる。東は八郎潟沿岸の払戸ふつと(現南秋田郡若美町)へと水田が広がる。

宗泉そうせん寺境内に貞和二年(一三四六)銘の板碑がある。丘陵上の俗称曼荼羅堂には鎌倉末期と推定される五輪塔群および板碑群があり、貞和五年の弥陀三尊図像線刻板碑も含まれる。

文禄三年(一五九四)の小鹿嶋之内知行方帳(秋田藩家蔵文書)に「浦田村 鯖之沢村 大堀田村」として三六七石二斗四升九合とある。

正保四年(一六四七)の出羽一国絵図には二一六石とある。


浦田村
うらだむら

[現在地名]和泉市浦田町・青葉台あおばだいみどりおか

万町まんちよう村の南、槙尾まきお川左岸にある。池田いけだ谷の一村。天正一五年(一五八七)六月の池田谷上村八ケ村連判米借用証文並起請文案(荒木家文書)に村名がみえる(→室堂村。慶長一〇年(一六〇五)の和泉国絵図に村名がみえるが高は不明。寛永末年頃の状況を記したと推定される和泉国郷村帳によると、高三四四石余、幕府領。元禄初年の「泉州志補遺」でも幕府領。元文年中改和泉国四郡郷村高帳では四一六石余。貞享元年(一六八四)以後の領主の変遷は今福いまふく村に同じ。


浦田村
うらだむら

[現在地名]貝塚市浦田

近木こぎ川左岸の日根郡の村。さわ村の集落南東に位置。慶長九年(一六〇四)の近木庄指出(要家文書)は浦田村・鍛冶かじ村、小谷おだに(現泉南郡熊取町)の三村の指出で、それによると浦田村は村高一〇三石余。寛永末年頃の状況を記したと推定される和泉国郷村帳では一二一石余。江戸時代を通じて岸和田藩領。和泉一国高附名所誌(小谷家文書)によると、表作は米と綿、裏作には麦と菜種を主に植えていた。


浦田村
うらたむら

[現在地名]森吉町浦田

北流する阿仁あに川の中流域、流路が西に向きを変える所に位置する。天正一九年(一五九一)の出羽国秋田郡知行目録写(秋田家文書)に「七百八拾石四斗一升九合 浦田村 道場村」とある。戦国期を通じ嘉成氏領であったが、のち安東(秋田)氏に包摂される。「秋田風土記」には「古城あり。昔大淵太郎と云者居す。加成資清亡すと云」とある。

正保四年(一六四七)の出羽一国絵図では三八九石余。


浦田村
うらたむら

[現在地名]玉東町浦田

木葉このは川支流の浦田川上流に位置し、東は上木葉かみこのは村、南は木葉町、西は安楽寺あんらくじ(現玉名市)と接する。もとは木葉村に含まれ、木葉町が在町として同村から分れた頃に分村した(郡村誌)。近世は内田手永に属する。宝暦一三年(一七六三)の下ケ名寄帳によると田畑屋敷合せて三町六反八畝余、ほかに五町八反余があり、高一一石二斗余、下ケ名に天神平田・堂之床などがある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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